▼ ヘクおじのマント借りたい
「寒いなぁ…」
ポツリと少女が呟く。
今夜は洞窟で野営なのだが、如何せん夜。
気温は容赦なく下がり体温を奪う。
火を炊いてはいるがやはり周りが冷えすぎて
これだけではどうにも冷える。
「よう、リツカ。」
「ヘクトール!あれ、他のみんなは?」
「見張りだぜ。流石にマスターの傍に誰もいない
ってのは心配だってんでおじさんが来てやったんだ。
感謝してくれよ〜?」
そうイタズラっぽく笑いながら
ぽふぽふと少女の頭をヘクトールが撫でる。
「ありがとーおじさん。
ついでにそのマント貸して寒い。」
「えーしかたねぇな〜」