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BLコンテスト・グランプリ作品
「見えない臓器の名前は」
- ナノ -


アリスインナイトメアみてたからつい

暗く、寒い、鉄格子で囲まれた部屋の
小さなベッドに、一人の少女がいた。


少女の名はリツカ。
症例 % @[8)3 。
最も重い症状で此処に少女はいた。


「……」


少女は声もなく訴えていた。

私は異常じゃない。
私のせいじゃない。


「ああ、そうだとも!」


いつの間にか、天井に一人の男が立っていた。
男はひらりと少女の目の前に着地して
黄金色の瞳で少女を愉快げに眺めて
にぃっと笑った。

「お前には何の落ち度もない。
 間違いの一つもない。
 ならば、やることはただ一つだ。」

焼けた喉が叫んでいた

復讐を!

と。

「さぁ、アリス リツカ
 不思議の国はお終いだ。そして、
 愉快な劇 復讐の始まりだ。」








その日、一人の少女が病院から消えた。
その日、一つの国が混沌と化した。
その日、



一人の少女が声を上げて笑っていた。







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