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- ナノ -


マーリン SS

頭の上にいつの間にやら花の冠があった。

「……いつの間に…」
「さっきだよ。ついさっき。」

花の冠を手でくるくると回しながら
廊下を歩いていると真後ろから声がした。

「…あ、クズのキャスターマーリンさん。」
「わぁ、酷い言われよう!
 お兄さん泣いちゃうぞー?」
「泣いたら煩いからウィッカーマンね。」
「本当に扱いが酷い。」

ぷーっとわざとらしく
頬を膨らませるマーリンを無視して歩いていく。

「ね、それ付けないの?
 君に似合うと思うんだけど。」
「…私に、花は似合わないよ。」

苦笑いで歩いて部屋に戻る。
どういうわけかマーリンも一緒に。

「…なんでついてくるのさ。」
「ん?アレだよ。退屈しのぎさ。」
「あっそ。」

我が物顔で人のベッドにダイブするマーリンに
溜息をつきつつ花の冠を部屋に飾る。

「花は似合わないんじゃなかったのかい?」
「五月蝿いな。捨てるよりいいでしょ。」






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