▼ 寂しがりぐだ子とエミヤ(弓)
この娘は、
別れが寂しい と泣いた。
また会える そう言っても、
別れは仕方の無い事だ そう思っても、
ポロポロ涙を流して泣いた。
そんな娘を抱きしめて、何度あやした事だろうか。
「ぐすっ……」
「ほら、泣きやみたまえリツカ。」
コートをぎゅっと掴んで嗚咽を堪える姿が哀れで。
「エミヤぁー…」
フワフワとした髪を撫でると
ほんの少しだけ嗚咽が収まる。
両手で頬を包んでふにふにと摘む。
「ぅー…」
やっと収まった。
「ほら、少し寝よう。」
ひょいっと抱き上げてと
泣き疲れて眠いのか何の反応もない。
ただ、小さくコクリと頷く。
マイルームにつく頃には熟睡して
つついても起きないだろう。
うつらうつらと船を漕ぐリツカに
少々警戒心が無いのではないか
などと苦笑しつつ、
マイルームの扉を開いた。