▼ 魔王ぐだ子と勇者ジークフリート(パロ?)
御伽噺は、
魔王が死んでそれでおしまい。
それでおしまい。
私は玉座でただ待つだけ。
御伽噺の終わり を。
が、しかし。
終わりは何かの始まりだったようだ。
「……すまない。」
男は謝る。
捻れた角、逞しい両翼、平たい尾。
一方私は、
赤のドレス、赤のケープ、金の杖。
……明らかに男の方が魔王のよう。
「魔王よりも魔王らしく、本当にすまない…。」
「いや…私の方こそごめん…。」
「竜の呪いでこのような姿に…すまない…。」
「私、転生したら娘で…というか
止めを刺さないのかお前…」
「…俺は勇者じゃなくて旅人で…すまない」
「はぁ?!お前勇者じゃないのに
この私 を倒したのか?!」
「す、すまない……」
なんていうことだ!
ただの旅人にやられるなど魔王失格!!
その瞬間自分の中で何かが砕けた気がする。
「す…すまない……。」
「き、気にするな…ランクが下がって
魔王から魔人になっただけだ…」
(※魔人→ちょっと魔力の高い人間レベル)
「す、すまない……」
「……貴様、責任とって私を仲間にしろ…」
「か、かまわないが…その…すまない…」
御伽噺は、簡単には終わらないようだ 。