▼ 愛情カンストなメフィストと髪が伸びたぐだ子
だいぶ髪が伸びたなー
などと思いながら自分の前髪を摘んで眺める。
そんな時にふらりと現れたのは
どでかい鋏を愉快げに揺らす、
リツカの召喚に初めて応じたサーヴァント
メフィストだった。
「おや、おや、おや、おや!
我が愛しのマスター!
リツカという名の愛しきお方!」
そういってすごい勢いで近づいてきて
抱きしめられて頬ずりされる。
過剰な愛情表現にはもう慣れて
リツカはされるがままだ。
「あ、ねぇメフィ。」
「はいはいはい。貴女の 忠実 なサーヴァント!
キャスター メフィストフェレスが
愛しのマスター様の要望に
全身全霊で応えてさしあげましょう!」
リツカを抱きしめるのをやめて
少し後退してからくるりと一回転して
胸をはる姿は愛嬌があって
なんとも愛おしく感じるのは愛着故だろうか。
「髪切って」
「……ほへ?」
珍しくあっけに取られたような表情で
口が空いたままの珍しいメフィストフェレスが見れた。
「ほら、前髪。かなり伸びちゃって。」
「…私に任せると
うーっかり首を切ってしまうかもしれませんよ〜?」
やっといつもの調子に戻った。
「嘘。首切ったら私、死んじゃって
メフィ愉快じゃなくなるもの。」
「おや、おや、おや、おや、おや!
これはこれはこれは!
我が愛しのマスターは先見の明がおありで!」
そういいながら唐突にちょきりと前髪が切られる。
あの大きな鋏ではなく、
同じデザインの普通のサイズの鋏だ。
鮮やかな夕日のようなリツカの髪は
パサパサとメフィストの掌に落ちて行く。
「ふぅむふむふむ。いい色ですねぇ!」
「そっかな?
私はメフィの髪の色の方が好きだけどなぁ。」
「おやおやおやおやおやおや!
これは喜ばしい言葉を紡ぐお口で!」
「あといい匂いするし。」
「マスターマスターマスター!
貴女の方が良い香りですよ!えぇ!」
切り終わったのか前髪をぱっぱっと払う。
の、ついでなのか頬をつままれる。
「なんと柔らかな頬!これはこれは!」
「メフィー…1日必ず頬つまむのやめてよ〜…」
どうも日課とかした頬つまみ。
実はもう既に他のサーヴァント達にも広まっている。
マシュマロほっぺが悪い と
マシュやDr.ロマンまでつまむようになるほどだ。
「折角なので私が広めました。」
「メフィのせいか。」