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微睡む   (信長)






「微睡むに良い日和、ぞ…」

と、魔王がポツリと呟いた。
「…信長様、微睡むのならば、
 縁側などではなく
 自室へいかれては?」
「…我が眼から去り逝く華の
 今際の際の謁見を
 邪魔するかNot…」
「…桜が見たいのですか。」

庭に咲いた桜を眺めたいと、
駄々を捏ねるなど
まるで子供のようだと笑えば
ムッとした顔が此方を睨む。
が、
眠いのかすぐに顔が緩む。

「Not…傍に。」
「御意。」
手招きされて隣に座れば、
膝を枕にされた。
目を閉じ眠る姿は、綺麗だと、
桜の花も同意したのか、
ひらりと魔王の額に舞い降りた。




     舞う桜と揺蕩う舟
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