▼ 人間→猫転生
吾輩は猫である。
元は人間の女であった。
「Not」
今はこの、
滅多に喋らぬ忍の飼い猫である。
この忍の声を聞くのもいつぶりか。
吾輩の名前
と思われる名を呼ぶときくらいしか
声が聞けぬが
なかなかの美声で吾輩は嬉しく思う。
「………………」
「にゃーん」
のそりと気だるげに動く忍が
吾輩のそばに座ったので
その膝の上に乗ってやった。
この忍の膝の上は、
大変居心地がいいのだ。
忍は何をするわけでもないが
時たま吾輩の身体を撫でてくれる。
この忍の膝の上も、
撫でるても心地がいい。
ああ、生まれ変わって良かった
などと吾輩は思いながら
この忍の膝の上で眠るのである。
眠る猫は夢を見たか
(にゃーん)1
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