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ほのぼの


妖怪夢主


人が来ないから、
といってこの男がやってくるようになって数週間。
家に帰ったら目の前にいる、という図には慣れた。
しかし、今日は少し違った。

この男、勝手に布団敷いて寝てやがった。
こちらに背を向け布団を肩までしっかりかけ
スヤスヤ寝ていた。

「をい?!」

人の布団勝手に使う奴がいるか?!
防具まで外しているあたり、
もう寝る気マンマンだったんだろう。
人の家に勝手に上がった挙句
勝手に布団を敷いて眠るなど
私をなんだと思っているのやら。

…とりあえず、起こそう。

「おい…おい起きろ!忍!」
「………」
起きたのか起きていないのかわからない。
揺すっても微動だにしないあたり、
起きてないということにしよう。
困った。

ふと思い立って櫛で男の髪を梳いてみると、
さらりと零れた赤い髪が綺麗だった。
思いの外柔らかい髪に腹が立つ。
腹が立つし三編みにでもしてやれ。
少しでもわかりにくい場所に一房、
小さく紐でくくった。


 悪戯くらいいいでしょう?


(勝手に布団だしおって)
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