▼ オニワカと主2ちゃん
差し出されたその手は、とても小さかった。
自分よりもずっとずっと。
それなのにどうしてだろうか。
その手が自分よりもずっとずっと大きく見えた。
「…オニワカ?」
じっとその手を見つめていたのだが、
目の前の少女の声にハッと我に返った。
差し出した手はそのままに、
少し不安げな瞳がこちらを見ていた。
「ん、いや、なんでもねぇよ。コノハ様。」
差し出された手を握る。
あぁ、やはりその手は小さかった。
小さくて、あたたかい。
「わ、オニワカの手すごく冷たい!」
「いやコノハ様の手が熱いだけだ。」
その手をぎゅっとつかんで、引き寄せる。
あぁ、その手の熱が移るように、
その心も、此方に移ってはくれないだろうか。
この小さな心を、その手で包んではくれないだろうかと。
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