▼ ザバーニーヤを甘やかす?
「あ、あのコノハ様。」
男の言葉を無視して少女は男の手を引いて
ベッドへ一緒に倒れ込む。
ふかふかの温かな布団の上でそっと男の頭を抱く。
困惑する声を他所にそっと頭を撫でてやれば
しばらくしてだんだん無言になっていく。
寝たのかと思いちらりと顔を伺うとパチリと目が合った。
「あの…コノハ様。これは、いったい…」
「ん?今ねぇザバーニーヤを甘やかしてるの。」
「私を、ですか。」
「そう。ザバーニーヤを甘やかしてるの。
だってザバーニーヤ甘えていいよ
って言っても甘えてくれないもん。
だからこうやって甘やかすの。」
そう言ってまたぎゅっと抱きしめると
男の腕がおずおずと伸ばされ抱き締め返された。
その手は、何となく少女に縋っているようにも見える。
「…コノハ様。」
「はぁい 」
「我儘を、言っても…よろしいでしょうか… 」
「いーよ。」
「…少しだけ…共に眠ってくださいませんか」
「うん。…おやすみ、ザバーニーヤ 」
「はい、おやすみなさいませ、コノハ様。」
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