▼ ヒリュウをなでなで
ぐるぐるぐる、と猫のように喉を鳴らすソレは
猫などではなく、その身体は灰色の硬い鱗に覆われている。
大きな翼はぺたりと地につき尾は機嫌良さげに揺れている。
ヒリュウは撫でてと言わんばかりに小さく鳴いた。
「んふふ、猫みたいだねぇ。」
猫のようにコノハにスリスリと擦り寄ってくる。
顎の下あたりを触ると嫌がるので
首の当たりを優しく撫でていく。
もっとと言わんばかりに小さな鳴き声が聞こえる。
それに気を良くして思いっきり撫でていく。
「ん?あれ、背中乗っけてくれるの?」
ふと離れたと思うと背を向けて、尾でくいくいと引っ張ってくる。
そっと背に乗るとヒリュウは
大きな翼をゆっくりと広げ羽ばたく。
背に乗ったコノハは眼科の景色にただはしゃぐ。
「ありがとう」
コノハがそう言うと、ヒリュウは嬉しそうにひと鳴きして
ゆっくりと地に降りる。
降りた場所は綺麗な花畑だ。
多分ヒリュウのお気に入りの場所なのだろう。
「わー!綺麗!すごいね!」
ヒリュウは自慢げに鳴いてコノハにまた擦り寄る。
コノハはいい子だいい子だ
とでも言わんばかりに思いっきり撫でてやる。
穏やかな日差しはとても心地よかった。
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