▼ 主2と魔のマーメイド
「コノハさまの髪は綺麗ですね」
「そうかなぁ」
一人の少女の髪を銀髪の人魚の娘が梳いている。
穏やかに微笑みながらゆっくりと。
「えぇ、綺麗ですとも。
…これなら父祖たるあのお方もお喜びになるでしょうね。」
「ねぇ、たまにいうさ、ふそ?たるおかた?ってダレ?」
少女に問われ娘はただ穏やかに微笑むだけだ。
「…お優しいお方ですよ。」
「へ〜!…いつか会えるかな?」
「えぇ、きっと。」
娘は少女の髪を結う。丁寧に、丁寧に。
「今日はお招きしたい場所があるのです。」
「お?どこどこ?たのしい?」
「えぇ、きっと。海棲の方々が多くいる場所なのですが…」
「かいせー」
「海に住まう方々ですね。」
「おぉー!海!海ね、なんか好きなんだ。」
少女は笑う。
「なんかね、誰かがね、
大好きだよ
って言ってくれてるような気になるの。」
「!…」
「あ、あ!ナイショだよ!
これ言ったの初めてなんだから!信頼してるんだからね!!」
「…ふふっ、えぇ。えぇ。言いません。言いませんとも。」
「絶対だからね!」
「はい。」
「…えへへ、楽しみだなぁ。」
「はい。楽しみにしててください。」
娘は考える。
少女に似合うアクセサリーはどれがいいのだろうかと。
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