novel

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●制服近親鏡音。
結構最低な奴らです。
R指定をするほどではないですが、アレな場所があるので…閲覧は自己責任でお願いします><


後悔なんて、する気も起きない。
だってそれほどに、俺は君を愛してる。


口には出すことは無いけれど。
伝わっていないかもしれないけれど。
それでも俺は、…俺は、君を。




・・・・・twins



夕日の差し込むとある教室。
そこで、必要以上に体を寄せ合う男女が一組。


「…ん、あっ」
「ふーん、感度いーね」
「なっ…ちが!か、鏡音くん…がっ」
「なに」


少年の動かす手に、体を震わせる髪の長い少女。
少女の服がかなり乱れているのに対し、少年はシャツの第一第二ボタンをあけた程度。
少年は、冷めた顔。少女の体をただ弄ぶ。
何を考えているのか、楽しいのか、蔑んでいるのか。
何も読み取れない瞳で、彼はただただ手を動かす。


と、突然。ひくりと彼の体が揺れた。
そしてその瞬間。
ガラッ


「あーえっと。お取込みのところすみません」


ドアを開ける音共に、一人の少女が入ってきた。
一目で情事中だとわかるであろう恰好の男女を見ても眉ひとつ動かさない。
顔を真っ赤にしそして真っ青にさせる少女とは非常に対照的である。


「なっなに?!」
「おーリン、今日は遅かったね」
「かがみねくっ!!」


そして慌てる少女に対し、慣れたように少年は少女から体を離す。
そのままさっさと乱れたままの少女をおいて歩みを始めた。

先ほどとは異なり、とても楽しげないろを瞳にうつして。
彼はゆっくりと立ち上がる。


「ちょっと待ってて、荷物持ってくる」
「はいはい」


振り向きもせず教室をでる少年を、残された少女が茫然と見つめている。
と、


「えーっと、寒くない?ボタンくらいしめたら?」
「っ!!!なによアンタ!」
「あーゴメンナサイ」


一応善意からでた言葉だったのだが…と入ってきた少女はため息をつく。
そんな少女の動作にやっと怒りを取り戻したのか、悔しげにくちびるを噛みしめギッと睨みつける。


「何よ、なんでこんなとこまで入ってくるわけ?!アンタ誰よ?!!」
「はぁ…鏡音リンですけど…」
「!思い出した、鏡音君の双子の…!」
「…はい、まぁ」


困ったように視線を泳がせる少女に対し、徐々に怒りを沸騰させていく少女。
どうにも困った状況である。


「しんっじられない!こんなとこまで入ってくるの?!」
「あー私だって入りたいとは思わないですが」
「何?!ブラコンってやつ?!!!まじキモイ!!!」
「いやいや、正直一番割を食っているのは私かと…」
「はぁ?!はいってきといて、わけわかんないこと言ってんじゃないわよ!!!」


あくまで真面目に、淡々と答える少女…鏡音リン。
しかし、怒りを表し羞恥で頭がいっぱいの人間にはまさに逆効果。
とうとうしびれを切らしたのか、ボタンも留めずに少女はツカツカと歩み寄り、リンの目の前へ。

対しても特に何も言わずリンは不思議そうに少女を見つめ返す。
それが、少女の最後の導火線に火をつけた。


「アンタ、まじキモイ!!キチガイだわ!!!鏡音君も可哀想!」
「…あぁ。それは」
「私の前から消えてよ!!!ねえ早く!!!」


バっと振り上げた手を、思いっきりふろうと力を込める。
そうしてそのままリンの頬をひっぱたくはずだった少女の掌は、


「…なに、やってんの?」


帰ってきた少年…レンの手によって遮られていた。


「あれ、レン」
「かっかがみね、くっ?!」


明らかに怒っていることがわかる表情で、周りの空気すら変化させて。
レンは振り下ろされかけていた少女の腕をギリッと握る。


「ねえ、何やってんの、って聞いてんだけど?」
「いっい、いた…っ!」
「ほら、応えろよ」


ギリギリと握る力を強くしながら、レンは問い続ける。
しかし、先とは違いすぎるレンが恐ろしいのか、少女は目に涙をためただ喘ぐ。



「あーレン、それぐらいにしなって」
「はぁ?お前殴られかけたんだぞ?」
「別に、慣れたし」


そこで繰り広げられる会話は、とても自然なもの。
とても、とても。
少女の存在など欠片にも気にしない、そんな会話。


それがどうしても悔しくて、屈辱的で。
少女はかすれかける声をなんとか押し出す。
悔しい悔しい。どうして、なんで?!


「何いい子ぶってんのよ!悪いのは全部アンタじゃない!」
「はい?」
「弟の恋路まで口出しするわけ?!!!」
「おい、」
「鏡音君だってうざいでしょ?!こんな姉、気味悪いわ!!!!」
「おい、お前さ」
「ねえ、消えてよ!きえて…ッ」
「黙れ」


先ほどとは比べ物にならないくらいの低い声が響く。そして、


ぐいっ…バチン!
「いったいな。そんな本気でぶっちゃだめだよ、レン」


少女がいたはずの場所に体をねじ込ませ、レンの手のひらをその頬で受けたリンは。
苦笑気味に、でもそこか嬉しそうに、そこに立っていた。


「な、な、な…なんで!なんで?!!!」
「…りん」
「レン、自分でひっかけたんだから、酷いよ。てゆーか女の子に手を挙げちゃダメ」


そういってにっこり笑ったリンの頬は、真っ赤に腫れ上がっている。
なんとも痛々しい、けれども自然な、奇妙な笑み。
とてもとても、きみょうなほほえみ。


「わけ、わかんないっ!!!鏡音君もアンタも、可笑しいわ!!!」


そう言って、少女はドアから飛び出した。
しかしそんなものをみることはせず、レンはただただリンをみつめる。
自分がつけてしまった、真っ赤な痕を。
ただただ、茫然と。


そんなレンが可笑しかったのか、リンはくすりとほほ笑みそっとレンの手を取った。


「さ、もうこりた?さっさとかえろ」
「…リン」
「かーえりーましょ」
「リン」


ぐいっと、
掴まれていた手を反対の手でつかみ返し、自分の体の方へ引っ張り込む。
そしてそのまま。


「レン、くるしいんだけど」
「…我慢して」


ぎゅうううっと擬音語がつくくらいの力強さで、レンはリンを抱きしめた。
つよくつよく。
まるで縋りつくちいさな子供のように。


「…しょうがないなぁ」


そんな様子のレンに諦めたのかほだされたのか。
リンはもぞもぞと腕を動かしレンの背中の方へまわし、トントンと優しくたたき始めた。
やさしくやさしく。
小さな声で何か唄を口ずさみつつ、一定のリズムを奏でていく。




それはちいさなころから繰り返し行われていた二人の儀式。
どちらかが落ち込んだ時、片方に縋りつけば。
片方は必ず抱きしめ返してくれて、そっと優しい曲を紡ぐ。
ずっとずっと昔から。
恐らく二人が物心ついた時から、この双子が行っていた落ち着くための儀式。
いや、落ち着くためではないのかもしれない。
だって今とちいさなころでは全然違う。
…変わっていく、いろんなものが。
変わっていった、周りの者が。
それでも。



「…リン、ごめん」
「頬?こんなの全然大丈夫よ」
「そんな…痕になったらどうしような」
「それ、こっちから願うわ」
「リン…」
「大丈夫よ、レン」


それでもふたりは変われなかった。
聞き分けることも、あきらめることも、二人は出来なかった。
二人にはできなかったのだ。
こころが叫ぶその感情を、無視するなんて。

出来なかったんだ。



「レン、もうこれに懲りたら止めてよね」
「…何を」
「女遊び。それとイチイチ私にそれを送りつけること」
「…」
「レン」


攻めた様な声を出すが、レンは無視してリンを抱きしめる手に力を込める。
無言の反応に、リンは口の中でちいさなため息を押し殺す。
全く、困った奴だ。
そんな困った奴を止めることができない私だって、きっと同罪なのだろうけど。
しょうがないじゃない。


…双子、なんだから。





・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



いつからだろうか。
成績優秀、真面目、で通っていたレンの行動に歪みが生じ始めたのは。
学校や、他校や、街中で。
特に知りもしない筈の女性といるようになったのだ。
そして、
何故かレンは、それをリンの携帯に送りつけるようになったのだ。
今どこどこにいる。くらいの短い文面、情報量の極端に少ないメールを。
ただただ、リンに送りつける。


理由は、ある。
それはふたりとも解かっているし、だからこそのその行為。
わかっている、理解している。
それでも、二人は口にださない。
…口に、出せない。
出さなければ、解からないままの子供と同じになれる気がするから。


だから。



「馬鹿だなぁ」
「…馬鹿だよな」
「ほんとよ。…女の子たち、可哀想だわ」
「別に」


抱き合ったまま、淡々と言葉を言い合う。
顔はお互いの体に押し付けて、表情は見ないようにして。
リズムを刻んでいたリンの手も、いつのまにか止まっていた。


そこにいるのは、幼いころから続いているお互いをあやす双子ではない。
ただただお互いを求めて抱きしめあう、一組の男女。


わかっている、わかっていた。
でも、分りたくなんかなかった。変わりたいと思わなかった。
思わなかった、思えなかった。
だから、自分達の思うままに行動した。


ただ、それだけ。


「ずっとこのままでいれたらいいのに」
「…レン」
「俺には。俺には…」


(リンだけいれば、それだけでいいのに)


言葉に出さないその想いは。
言葉に出さなくても伝わっている。
もちろん、リンの想いだって。



伝わっている、届いている、理解している。
だけど、だけども。


言葉に出すことは、赦されない。



「リン…頬、ごめん」
「もういいって。痛くないし」
「でも」
「レンにつけられた傷なら、…いくらでも受け入れるわ」


にっこりと艶やかに笑むリンにレンは息をのむ。
ちいさな頃の笑顔とは全く異なる、その微笑。

そうなのだ。
もう、あの頃には戻れない。


「じゃあ、いい?」
「…レン」


リンの肩に埋めていた顔をはなし、リンの目をじっと覗き込む。
ただ、想いをこめて。
口には出さず、レンはリンをじっと見つめる。


「レン…此処、学校」
「そうだな」
「てか、さっきまで女の子といた癖に」
「名まえも知らない奴だけどね」
「…」
「リン、…駄目?」


軽く首を傾げて、またじぃっとリンをみつめる。
レンは知っている。
リンがこうすれば断れないことを。
狡いなんて百も承知。
そんなこと言っていたら、自分の傍にリンをとどめておけないじゃないか。


初めから、自分たちは一緒だった。
それがとてつもないほどの大きなハンデになると知ったのは、いつだろうか。
いけないことだと知ったのは、いつだったろうか。
それでも、それでも自分たちは離れられなかった。


昔からそうだから、それがキマリだから。
ただそれっぽっちの理由で納得できる恋なんて、そんなのしちゃいなかったんだ。
あぁなんて、


「…」
「リン?」
「…やさしくしてよ」
「勿論」


ゆっくりと目をつむるリンにそっとキスを落とす。
先とはまるで別人のような優しく手つきでレンはリンの体に触れていく。
やさしく、やさしく。
慈しむように。


「リン…」
「れん」



いつまでリンは自分を見つめていてくれるだろうか。
いつまで、自分の傍にリンをとどめておけるだろうか。
リンが離れてしまったら。
それが、…怖くて怖くて仕方がないんだ。



「れっ…ちょ、そこ、はっ!」
「りん、…リン、ね、こっち、みて」
「ふぁ、あ…!」



誰かと遊ぶのも、リンに自分の居場所のメールを送りつけるのも。
全部全部、リンに自分を見てほしいから。
リンがいつまで自分を気にかけてくれるか。
それを知りたくて、自分の目で確かめて安心したくて。


リンに自分をみてほしい。
そしてリンを欲しい。ただ、ただリンだけを。
…それだけなんだ。それだけなのに。


「あ、ああ…ぅぁっ!」
「…リン」


それだけなんだ、それだけなのに。
どうしてこんなに苦しいんだろう。
どうしてこんなに泣きたくなるんだろうか。
ただ、愛しているだけなのに。愛し合いたいだけなのに。


どうして。


「…はぁ、れん、…なかないで」
「…リン」


どうしてこうも、こんなにも愛しいと感じてしまうのだろう。
どうして。



…どうして。







(愛しくて愛しくて愛しくて愛しくて)
(ただそれだけなのに)





わかってるくせに、ね。


おわれ

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全力でごめんなさい。
BGMは「リンレンの右肩の蝶を合わせてみた」です。
前にmemoでかきてえっていってたやつです。
まさか雪〜よりも早く書きあがるとは…あぁあ順序が狂うな(汗



2011/05/04



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