novel

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大学生みね。



起きて、顔洗って、きちんと歯を磨いて。
いつもと同じくひどい寝癖は、何度も梳かしてなだめすかした。

ちょっときちんとした服を着て、財布もって携帯持って。
そうしてこれも忘れず持って。
いつもならそんなことしないけど。今日ばっかりは、鏡を見て自分を確認。


「…よし。じゃあいってきます。」


戦闘開始、だ。



start with you!!




俺の彼女である鏡音リンは、彼氏の欲目を無視しても十二分に可愛い。
性格だって、頑張り屋で優しくて。照れ屋で…そんで、一途。
ひとりでため込んだり悩んだり…そんなとこは、俺にくらい相談してほしいのだけど。
とにかく、すっごく可愛い女の子な訳で。


俺は、かんっぜんにべたぼれなんだ。


大好きで大好きで、本当に愛しい女の子。
だから、俺は。リンとずっと一緒にいたい。
傍にいて、笑っていてほしい。抱きしめたいし、抱きしめてほしい。


だがしかし、俺は人間で。
一応、理系大学生…しかも理学部となれば、それはもう忙しい。
講義は勿論だけど、それに伴う復習だとか予習だとか。バイトだってやってるし、ほんと忙しい。

だけど、やっぱり卒業後はいい仕事に就きたい。きちんと生計を立てて暮らしていきたい。
そうなるにはいい成績だとかは強みになる訳で…勉強はおろそかにはできない。
だからまぁ頑張ってるんだけど。こうも忙しいと、いろいろと辛い。


簡単に言ってしまえば、俺がリンに会えない日ばっかりなのだ。
せっかく同じ大学に入れて、近くのアパート借りれたのに。
リンは工学部、俺は理学部…他学部ってのは、案外会えない。
土日だとかは会えるけど。そんなんじゃ、全然足りない。


同じ大学で、家も近くて。お互い一人暮らしで。
こんな恵まれた環境にいるんだからって思って我慢してたけど。
うん、まぁ…やっぱり無理。


俺は、君とずっと一緒にいたい。
一緒にいていい、証がほしい。

いつからこんなに欲張りになったのか、自分でも理解不能なんだけど。
我慢を諦めた心には、もう歯止めは全然きかない。


だからさ、リン。お願いをきいて。

もし断られたら…なんて。考えたら、怖くてく怖くて仕方ないんだけど。

でも、言いたい。聞いてほしいんだ。




・・・・・・・・


「うみゅーひまだ!」

ゴロゴロゴロ、はしたないってわかってるけど、誰もいないから大丈夫。
自分の部屋のベッドの上で、ばななのおっきなクッションを抱きしめて転げまわる。

今日は、大学の最後のテストが終わった次の日。
今まで死に物狂いでやってた勉強から解放されて、好きなことを沢山しようと思ってたんだけど。
だけど!


「レンってば、遅いのよぅ〜」

待ち人が、来ないのです。


レンは理学部で私は工学部。だから、テストとか日程が違うのは当たり前なんだけど…。

「もう終わったって言ってたのにー!」

そう、確か。
昨日テストが終わった帰りにレンの部屋に行ったとき、そんなことを言ってた気がする。
そんで、じゃあ明日はリンの部屋で過ごそうねって約束したのに!


「…来ないじゃん。レンの、うそつき。」


パカリ、とオレンジ色の携帯をひらく。
時間を見れば、もうすぐお昼になりかける時間。
レポートとか、プリントの整理とか。
そーゆーのをやり終えるにも、十分な時間は過ぎたはずだ。
それに、もう、待てない!


ぽちぽちぽち…


携帯を操作して、着信履歴をひらく。
一番上のとこを選んで。そんで、発信!!


『プルプルルル…んっ俺だけど?』
「えっあっレン!でっ出るのはやいね…」


出るまで鳴らしてやるんだから!と意気込んでたら、案外早くでられてちょっと吃驚。
でっでも!こんなんじゃ済まないんだから!
ぎゅうっとくっしょんを掴む腕に力を込める。と、


『うん?あー。なんかリンからかかってくる気がしたから。』
「え…えっ?」
『昨日約束したじゃん。でも、今こんな時間になっちゃったから…待ってるかなって。ごめん。』
「…うー。」


ぷしゅぅ〜。腕の力が抜ける。
あぁもう。そんな風に謝られたら、何も言えなくなるじゃない!
悔しくてちょっと嬉しくて、なんかよくわかんなくなってしまう。


『えーと、リン?』
「…なによぅ。」
『いや、やっぱり怒ってる?』
「もう、怒ってない。でも、遅くなった理由は知りたい。」


うん、それが気になるんだ。
レンはしっかりしてて、時間とかには遅れないし、約束も絶対忘れない。
遅れるとしても、何かしらの連絡はいつもくれるのだ。
だから、こーなるには相当の理由があるはずで…、それはすっごく気になる。


『…えーと』
「?レン?…言いたくないなら」
『いや、別に言いたくないわけじゃないから。』
「え?じゃあなんで…」
『だから、えーっと…うん。』
「?」


なんだろう。こんなに言いたがらないなんて。
…私には知られたくないこと、なのかな。
ズキリ、何かが小さく疼く。くしゃり、とクッションがへこむ。
なんなのかな…


『えーっと、うん、リン』
「ん?」
『結婚、しようか』
「…っへ?………?!!!!」
『リン?』
「なっなっなっ!!!」


突然何を言い出すのだレンは。
落ち込みかけていた心が、再浮上どころか空の果てまで吹っ飛ばされた。
っていうか。なんで、今なの…?!


「えっえ?!なんで、突然…」
『うーん。言いたかったから』
「…ぅーって違う!だってその…こういうのは、もっとこう…」
『いいムードの時にって?』
「そう、そう!星の綺麗な場所とか…」
『夜景じゃなくて?あーあと、ちょっと豪華なレストラン、とかね。』
「そう!そーゆう、ちょっぴり特別な時に言うものじゃないのかなぁ…」


だって、今携帯なのだ。
正直言っちゃえば、別に夜景だってレストランだって要らない。
レンが目の前にいてくれさえすれば、どこでだってしあわせなところになるんだから。
だから、…だから。


『リンはいや?』
「えっちがっちがう!嫌なわけない!でも…その、」
『その?』
「…その、えっと」


傍に、いて。



ーぴんぽーん


間抜けな音が部屋に鳴り響く。
えっちょっどうしてこんな時に!!!
慌てて起き上がり、携帯を持ったままドアへ向かう。

「っはーい!ごめん、誰か来た、ちょっと待ってて!」

携帯は切らないまま、ドアの取っ手に手をかける。
あっ荷物だったらどうしよう。印鑑ってどこ置いたっけ。
そう思いつつドアを開ける。




「や、リン」
「…え。なんで…れん?」
「うん、直接言いたくて。ねぇ、リン?」
「っ!」
「結婚、してください」


ふんわり、ちょっと照れたようにレンが微笑む。
ほろり、何故だかよくわかんないけど涙が出てくる。
それをみたまま、レンはくしゃりとほほ笑んで、そっと私の手をとった。

でも、そのレンの手もすこし震えてて。
レンも緊張してるんだ…そう思うと、なんだか可愛くて愛しくて、どうしようもなくなってきてしまう。

そうして自分の指をよく見れば、そこには。


「ゆびわ…?」
「うん。これ取りに行ってたから遅くなった。ほんとは、ちゃんと早く来て言うつもりだったんだけど…」
「…うー」


抑えきれなくて、どうしようもなくなって。
腕を精一杯伸ばして、ぎゅうっとレンを抱きしめる。
泣いているから、涙とかがレンの服につくかもだけど…もう、知るもんか。
責任、全部取ってもらうんだから。
うりうりと顔を擦り付ければ、ふんわりと抱きしめ返されて。優しく頭をなでられた。


「だいすき、なんだから!」
「うん。」
「もう、一生責任とってもらうんだからね!!」
「うん。…喜んで。」








ずっとずっと、一緒に居よう。




(放さないでね?)(勿論。)



砂を吐くぞよってくらい私的には甘いかがみね。
忙しい日のふたりです。
私が忙しいと、鏡音変換してふたりなら…うっはかわいー///って自分を癒す技を覚えました。
…はい、残念な鏡音廃です\(^q^)/
中半はなんかのCMのパロ。おもいっきり妄想してますが。


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