novel

top >> good night!!






「レン…だめ?」
「…」


レンのベッドの傍で膝をつき、じぃっと上目づかいで見つめてくるリン。
そんなリンを前にし、ベッドに腰掛けるレン。
両者、一歩も動かず、時計の針がコチコチと順調に音を刻んでいく。
そして、レンはなるべく表情を動かさないようにしながら、心の中で呻いた。


・・・・あぁもうほんと、どうしてくれよう。









good night!!





時は少し前に遡る。
その時レンは、さてもう寝ようかと思いつつも音楽雑誌を読みふけっていた。
パラリパラリ。
ふと読み始めた雑誌は予想以上に面白く、ついつい夢中になり無心でページをめくっている、と。


「れんーおきてる?」
小さな声とともに、ほとほとと遠慮がちに叩かれる扉。
声の主は、もちろん考えるまでもなくいとしい片割れのもので。
雑誌に向けている視線はそのままにしつつ、返事をしながら考えを巡らせる。


「うん、おきてるよ。」
「よかった!はいっていーかな?」
「ん?」


こんな時間に…と思いつつ時計を見れば、やはりもうさすがに寝ないと危ない時間。
しかしたとえ断ったとしても、きっとリンはすぐには部屋には戻らないだろう。
季節は冬。それも真冬であり、今の時期は廊下といえど非常に寒い。
そんな中リンを待たせておくのは大変心苦しい。
…それに、自分がリンのおねがいを断るなんて出来るはずもないのだけれど。
そんなことを思いつつ起き上がり、ドアを開ければ、吃驚してからぱぁあと嬉しそうに微笑むリンの姿。


笑顔を見れたことを内心嬉しく思いつつ、リンに入るように促し扉を閉める。
そうして寒い廊下ときっちりお別れをし、レンはくるりと体を回転させた。


「で、どうしたの?」
ベッドの近くに座っていたリンを確認し、自分もベッドに腰掛ける。
・・・・まぁ、すでに予想はついているのだけれど。


「あのね、レンと一緒に寝たくてきたの。」
「…。」
「おねがい!」
「…はぁ」


そして、冒頭のシーンに戻るのである。



確かに、リンとレンはしょっちゅう一緒に寝ている。
というか、ほぼ毎日リンがレンの部屋に来ている。
まぁつまりは、冒頭のシーンはいつもいつも繰り返されていることなのである。


といっても、レンにだって不満はある。
だって自分たちはこどもではない。
もちろん大人ではないし、VOCALOIDとよばれるもので人間でもない。
でも一応自分たちは14歳設定であるし、それに相応の感情プログラムを発達させてきた。


リンと自分は、まったくべつのもの。
鏡だとかふたごだとか他人だとかいろいろあるが、自分にとってリンは他の誰とも比べることのできない、大事な存在。
そして、愛しくて愛しくて仕方がないたったひとりの「女の子」。


なのであるが、リンはそこのところをさっぱり理解してくれないのである。


「リン、俺らの設定年齢は?」
「え、14歳だよ?うーんでも18歳ってのがうれしいなー。」
「リンの性別は?」
「女の子。みえない?」
「いや、みえるけど…。じゃあ俺は?」
「男の子でしょ、もちろん。」
「…うん。」
「うん?」


だめだこりゃ。


あぁもう、どうしようか。
どんだけリンが鈍くても、俺のことを意識してなくても、俺は男の子で。
…リンが、だいすきで仕方がない、ただのおとこ。
だから、一緒に寝るのは、


「レンは…リンと一緒にいたくない?」
「っちが!」
「だって、レンそっけないし…。最近は一緒に寝るのも嫌そうだし…」
「そ、れは」
「リンはレンのことだいすきなのに…。」
「…っ。」


そんな、泣きそうな顔、で。


「〜っ!!!あぁ、もう!」
「ふぇ、れ、ん?!」


突然、レンはさっきまでほとんど動かさなかった声の調子を変え、そのままリンの腕をつかむ。


ぐいっ、ぽすん。


そうして、最後の間抜けな音とともに、レンはリンを抱きしめる格好で背中からベッドに倒れこんだ。


「あっあれ?え、っれ?」
「すきだよ」
「っ?!!!」
「リンと、ずっと一緒にいたいよ、もちろん。」
「な、な、な、」
「だから、…もう、ねよ」
「う、うん?」


ぱちくりとリンは目を瞬かせる。
しかし、やっぱり時間帯のせいかすぐに眠そうな顔になり、すりすりとレンの胸板にほおをすりよせる。


「れーん」
「…なに。」
「りんも、れんのこと、だいすきだよ…ぅ。」
「っ、って、え、…早。」


くぅくぅと、さきほどのレンに抱きしめられた形のまま、寝息をたてはじめるリン。
そんな腕の中のリンを一瞥し、レンははぁ、と重い溜息をついた。
そして、抱きしめていた腕をほどき毛布などの布団を自分たちにかけはじめる。
すると、くぃっと引かれる感覚を覚え視線を走らせる、…そこには。


「…これ、ねてんの?」


レンの傍らで眠るリンが、ぎゅうっとレンの手の袖を握りしめていた。
さっきまで幸せそうな寝顔だったのに、今は、なんだかさみしそうな表情で。


「…はぁ。」


俺は、一生リンにかなわない気がする。


そんなことを思いながら、寝る準備を整え終えたレンはごそごそと毛布をかぶり直し、もう一度リンを抱きしめ直した。





おやすみなさい




(きみとふたりで、いいゆめみようね!)







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思春期なレンリンをかいてみたかった!…だが…かけん。
このレン君はあんま表情を動かさないクーレンですね。
私はそっけないのに無意識にリンちゃんだいすきでべたぼれなレン君がすきらしい。
リンちゃんはほんわり。少し恥ずかしいけどでもレンと寝るのが一番安心するんだよね、きっと!
そして二人ともストレートですね。あぁもうかわいいな鏡音かわいい!!!


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