3-4

友人と仲直りをしてから1週間程が経った。
そして、重虎さんから返事が来ないままにもうすぐ2週間が経とうとしている。

不思議な手紙交換が始まったのが4月の頭で、もう5月も半ばに差し掛かっている。




長く返事がないことが、あまりにも不安に思う。
でも、きっと虎重さんは元気になって、また仕事に復帰しているんじゃないかと思っているし、信じている。


どうしてこんなにも不安なのか、そんなのわかりきったことなんだ。



「手紙!?え、なにその古風なキーワード」


まだ母からバイトの休みをもらっていたから、折角だしとパフェを食べに友人と一緒に来たのだけど
文通のことだけを話してみたところ、そんな返事がきた。
たぶん、それが普通の反応なんだろうけど。



「そう、手紙」

「手紙なんて今時なかなかないからね!いいね、おもしろい。
で、その相手との恋愛に発展してくんだね!」


「も〜、そんなんじゃないって!てか、スプーンを振り回さない!」

本当にこの人は何でも恋愛にもっていきたがる…


「てか正直な話、本当にあんた大丈夫なの? なんか最近元気ないし、なんていうか覇気がないよ、あんなに輝いてたのにね、そりゃもう嫉妬しちゃうくらい」


アハハと笑う友人に空笑いしか返せなかった。


返事がなくて、彼の字を見ることができないだけで、寂しく思った。
ずっと、彼のことを思っている自分がいて、ずっと彼のことを心配している自分がいる。



ベタに夜空なんて見上げてみたりもした。

きっと、大丈夫だって自分を安心させたかった。
否定しながらも、自分に嘘は吐けないんだ。

[ 16/29 ]

[*prev] [next#]
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -