2-7 お昼休み、お弁当も食べず上の空の友人。 どうしたの?と聞けば 「最近彼氏がそっけないんだよねえ」 と、つまらなそうに溜息と一緒にそんな言葉を吐き出した。 「喧嘩でもしたの?」 「いんや、してない」 普段、仲の良い二人を見ているだけに少し心配にもなった。 「どうしたんだろうね、聞くに聞けないよね」 「そう、気まずい」 「根気よく付き合うしかないかもね、あんまりだる絡みしちゃダメだよ」 「わかってるよ〜 ダル絡みなんかしたことないからね!? 名前くらいだよ!私のことダルいって言うの!」 今まで上の空だったのに、突然立ち上がって私を指差しながら言った。 「はいはい」 「なにその適当な返事! それよりも、あんたも早く彼氏とか作りなよ。 何か前に言ってた彼はどうなったのよ」 以前、掛け持ちのバイトをしたときに、しつこく誘い続けてくる男の人がいた。 見た目から性格から、軽い男を具現化したような人で苦手だったために、友人に相談したら、何故だか彼女は、彼に合わせてればいいなんて言い出したのだ。 もちろん、そんなことは死んでも嫌だと断った。 彼にも、お断りし続けた。 「本当にあの人は嫌だったんだってば」 「…はは〜ん、強がらなくてもいいよ」 「本当に!あんなの嫌だよ」 嫌な間が空いたことが少し疑問だったけど、気にしないように、そう決めた。 重虎さんの事は、誰にも話していない。 とても楽しいのに、話したいとは思わないのだ。 |