2-7

お昼休み、お弁当も食べず上の空の友人。
どうしたの?と聞けば
「最近彼氏がそっけないんだよねえ」
と、つまらなそうに溜息と一緒にそんな言葉を吐き出した。


「喧嘩でもしたの?」

「いんや、してない」

普段、仲の良い二人を見ているだけに少し心配にもなった。


「どうしたんだろうね、聞くに聞けないよね」

「そう、気まずい」

「根気よく付き合うしかないかもね、あんまりだる絡みしちゃダメだよ」

「わかってるよ〜 ダル絡みなんかしたことないからね!? 名前くらいだよ!私のことダルいって言うの!」

今まで上の空だったのに、突然立ち上がって私を指差しながら言った。


「はいはい」

「なにその適当な返事!
それよりも、あんたも早く彼氏とか作りなよ。
何か前に言ってた彼はどうなったのよ」

以前、掛け持ちのバイトをしたときに、しつこく誘い続けてくる男の人がいた。
見た目から性格から、軽い男を具現化したような人で苦手だったために、友人に相談したら、何故だか彼女は、彼に合わせてればいいなんて言い出したのだ。
もちろん、そんなことは死んでも嫌だと断った。
彼にも、お断りし続けた。


「本当にあの人は嫌だったんだってば」

「…はは〜ん、強がらなくてもいいよ」

「本当に!あんなの嫌だよ」


嫌な間が空いたことが少し疑問だったけど、気にしないように、そう決めた。


重虎さんの事は、誰にも話していない。
とても楽しいのに、話したいとは思わないのだ。


[ 12/29 ]

[*prev] [next#]
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -