2-5

重虎さんという人を知りたい、それと同じように名字 名前という私自身を知ってもらいたいとも思ってしまう。



髪を切りたい。

腕時計が欲しい。

女将に何度も叱られる。

学校の授業があまりに難しい。


そんな、何てことない話をついつい下記連ねてしまう。


それに対して、


若いうちに髪を下ろすのはやめておいた方がいい。

腕時計がわからない

叱ってくれる人がいる事がありがたいことだと、そのうち気づけるよ。

学校とは、何だろうか


といった返事が重虎さんから返ってきていた。

腕時計がない、学校がわからない。
学校ができたのは確か江戸時代の寺子屋や、手習所からだから、重虎さんは本当にそれ以前に生きる人なのかもしれない。
やはりまだ信じきれはしないものの、少しずつそう確信めいたものを持ちだしていた。

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