ロイさまとしんみりつらい子


「つらいよね」
「ん?」
「君のことを思うと、つらくなる」
「どんなことを、思ってたんだ?」
「君と一緒にいて嬉しいことや楽しいことがたくさんあった。でも、結局は君はいなくなって、私はいなくなった君のことを思って、つらくなる」
「……」
「ここで、一人でずっと、つらい気持ちを抱きながら生きていくのは、私にはきっと…たえられない」
「…勝手につらくなるな」
「でもね、私と君との間には別れの時が必ず」
「俺はいなくならないし、アンタには俺がついてる。ついてやる。離れないでいてやる。…いいか、俺だってアンタがいなくなったらって思うとつらくなる。でもそんな悲しい『これから』の『もしも』の話なんて上げ出したらキリがないし、どんどんドツボにハマってく。だったら、同じ『これから』でも嬉しくてしょうがなくなるだけの楽しいことを考えようよ。悲しいことを考え出すよりは簡単じゃないか?」
「…君は」
「なんだ、言い返したいことでもあるか?」
「ううん。…そうやって、優しく笑いかけてくれる君は…とっても素敵だなって。どんなに楽しい『もしも』を想像しても、やっぱり、現実の君にはどうやってもかなわないや」
「アンタもシュンとしてるのは似合わないんだから、いつもの調子でまた俺を振り回してくれよ」
「…ありがとう」
「これからも、よろしくな」

- - -
もっと暗くするつもりが………
ロイさま相手だとどうにも励まされてしまいます。というか前にもこんなん書いた気が…まあいいか。
150521
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