20代前半の黒い髪の毛に
紫電の瞳の女性が連続連勝、現在ダブルトレインに
挑戦をしていると耳にした。

今さっき自分の部下達が悪戦苦闘していると聞いて
白い車掌の男がワクワクと自分の
登場を心待ちにしている…
そして対戦者のポケモンを早く見てみたい。
そう思ったときだ。

「クダリ、さんですか?」
おっと、入ってきた!そう思ってくるりと
対戦者に挨拶しようと回ったときだ。
「ぼく クダ…」

笑顔で自分を名乗ろうとしたときだ。
なんか、懐かしいとおもってしまったのだ。
そう、ライモンシティから出た小さなあの少女に
面影がすごく似ていた。







相性が悪かったのだろう、サブウェイマスターのクダリにストレート負け
した彼女は傷ついたポケモン達をモンスターボールに
入れると少しだけ寂しそうに、だけれども
全力を尽くしてくれたポケモンや彼に言葉を残す為に白い制服を来た
彼に近づいた瞬間に手を握られて迫られた。


「私の負けです。また挑戦しに!?」
「ねぇ!!君の名前は!?」


「あ、あえ・・・?」
「キミの名前!ぼく 知らない!」
一々なんだこの人、と思ってしまい彼女は
マエにこんな人と出会ったことあるかも、と
目線を泳がせていた。
「私は、みつきといいます。」
「!みつき!?」
「ひゃい!?」

嘘!? なんで!?
驚きを隠せなくクダリは笑いが耐えられなかった。
全て一致する、彼女 みつきだ!!
なんでか身長も、体系も変ったのかは不明だが
でもみつきだ!と確信したときだ。
ちょっとまってください!と言われ握った手を離された。
体温が、消えていく。
「私このトレイン、バトルサブウェイに参加したのも
初めてですが・・・クダリさんとも合うのも初めてです!」

そういって、さっさと降りますから!
と下車しようとしたときクダリの手は、彼女の髪の毛をかすった。

綺麗なその髪の毛は、ずっと前に触ったみつきの髪の毛よりも
しなやかだった。







「みつき〜!ちょっと資料欲しいからギアステーションにのって
××までいってきて!それとヒウンシティで××さんにこれ届けてきてよ〜」
「あ、はい!」
OLの制服に身を包んでいる彼女はデスクでなにやらぽけーとしている顔をしつつ
上司でもある女性に声をかけられた。
メモをみると、確かにあの場所までいかないと貰えないハンコであろう。
彼女、みつきはそう思いながら今育成中であるヤナップをモンスターボール
から出すと「ヤナ?」と不思議な声と顔をしている。
「ヤナップ、よかったら一緒に行ってくれないかな?」
「!?」
ぴょんぴょんっと高くジャンプしながらも手を叩き
ヤナップは賛同してくれたようだ。
ついでにヒウンシティで用事を済ませたらヒウンアウスも買って帰ろう。

そう思って、会社のビルから出て行ったのである。


「ヤナップ昨日はおしかったね」
「ヤナッ!」
「(負けず嫌いじゃないから、なんかほっとする)」





昨日、会社の人たちとなぜかバトルサブウェイでトレインのるぞ〜!
お〜!みたいな軽いノリでやって、珍しくノリにノってしまったのは、私だ。
初めて(だと思う)みるバトルサブウェイの様子。
子供も居れば、自分たちみたいな大人までいる・・・楽しそうに
順番を待っていた。
『みつき!そういえばねダブルトレインにサブウェイマスターがいるんだって!』
すっごく強いらしいよ!!と嬉しそうにいう同僚に少しだけついていないのか
そうなんだー、と軽く流しそうになる。
正直、幼馴染や、幼馴染の友達・そして自分を信頼してくれる
大切なポケモン達にしか耳を貸していなかったが前に言われた幼馴染の言葉を
思い出した。

『成長したいと思うんだったら、みつきの場合はまずちゃんと自分の環境に
居る人の言葉に耳を貸さないとだめだ』
と今も研究者として頑張っている彼の言葉が、一歩、私を強くさせた。

「わっ、私挑戦してみようかな・・・」
「いいじゃない!なんたって最近のみつきのポケモン達ウズウズしてそうだもの。」
でもどのトレインに乗ろうか・・・そう思っていると
ヤナップのモンスターボールがカタカタと奮えているではないか。
「んー・・・そうだな・・・」

手持ちポケモンで行こうか、・・・もちろんやる気のヤナップも連れて。








ところ代わり、ギアステーション内。
いつも通りの朝を迎えるはずだったのだが
白い服を纏った男の車掌はいつもの笑顔に小さなため息をこぼしていた。
執務室にもう一人、同じ顔の男はそんな彼をみて表情は変えなかったものの
気になっている様子。

「どうしたのですかクダリ。」
「…みつきにあった。」
「!」
「でも、逃げられちゃった。」

しょん、と今の彼の気持ちの表現を表す言葉があるというなら
こんな感じだろう。みつきという女性の単語を聞いた瞬間驚きを隠せない。
なにせもう何年も出会っていない女性だ。

幽霊列車事件の際に出会った少女、表情をあまり出さないが
顔は整っていて、それでいて頭がいい。
彼女曰く、クダリが『初めて友達になろうとした友達』らしく
真っ赤になりながら俯いてはにかんだ表情を、忘れるわけにも行かず…
結局クダリの後にノボリの方もみつきにライブキャスターの連絡先を教えてしまい…
それでも彼女からの連絡は、ライモンシティから出て行って数年の間に2・3度しか
連絡がこなかったのだ。

「制服来てたから、きっと近くにいる」
「そうですか・・・」
クダリが帰ってきてからこの調子の意味をやっと理解したノボリは
とりあえずといった風に彼の背中をノボリはたたん、と叩いたのだった。





君に首ったけ!!
その1「似ていた、全て」



2011.0815


なんとなく書いてみたかったもの。
前のサトシ夢の主人公とはまた違うタイプです。



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