自分のための高級チョコを食べようと思ったら
教授に食べられて怒るとじゃあ味見する?といって襲われる主人公



「教授!!!今回だけは絶対にゆるしません!」
研究室には行ってきたと思ったら何を怒ってるんだろうね?
ラボの中には複数人の生徒がいたにもかかわらず扉をその怒りに
込めるように爆発音かと思うほどの大きな音が響き渡る。
その音を鳴らした女性は怒りでなのか顔が真っ赤で
いつも以上に眉間に皺が寄っているではないか。
カツカツカツ、と少し高いヒール音がなり白衣をだらしなく
着てタバコを吸う男は笑っていた。

「…何をカリカリ怒ってるの?」
「しらばっくれないでください!!」
机の上には資料の束があるにもかかわらずその机の上に
置いたのは綺麗な英語の書体で書かれている箱である。
その箱にはリボンがかかっていたのだろうがそれはとれており
彼女はその箱を開けると中はすっからかんである。

ああ、意味が分かると彼はにたりと笑って
みつきを見てきた。
「ソレ、美味しかったよ」
「ええ・・・そうでしょうとも、そうですよねえ!」
「僕の為に買ってきてくれたんデショ?」
その言葉に彼女の堪忍袋が切れた音が他の生徒に聞こえ
一目散にむしろ生徒の方がラボから出て行ってしまった。
その音も聞こえたのにもかかわらず怒られている男は頭を
ガシガシを掻きながら余裕の表情しか浮かべないのだから
火に油を注ぐという言葉がぴったりに違いない。

「購入までに数時間・・・フランス・パリでしか
買い付けができないチョコをニィ教授には分かりませんよね!?」
年に一度の大きいチョコの祭典で購入したチョコというのは
この食べた男は分かっていないのか、そうなの?という。
疑問符を出すこともなく、ただただこの状況を楽しんでいるようで
面白いからと一度椅子に座っていたが彼女の前に
やってきて少し小さい彼女を見下ろした。
綺麗な顔が台無しだね、と思いながらも余裕の大人の顔は
ブレナイ、怒り心頭のこの小娘がそれはそれは面白いオモチャであり
自分の物だといろんな生徒に見せつけている・・・。

「そんなに食べたかったら名前でも書いておけば良いのに」
「普通未開封のものを開けないじゃないですか」
「いや、僕のプレゼントっていう可能性あるからね」
「だったら付箋か何かで書きますよ」

無論この男はみつきのものだと分かっていて食べており
残ったチョコは先ほどいた生徒にあげた、だから
その怒り心頭な彼女をみて一目散にして逃げてしまったのだ。

「どうしたらみつきチャンの機嫌が直るのかな?」
「同じの買ってきてください、何時間も寒い所で並んで凍死しろ馬鹿教授」
ああ、いつも元気で笑っている彼女がこんなにも
怒ってその矛先が自分というのが気持ちが良い・・・教授は
その怒りは=愛なのではないかとも感じその変態志向の男に
ある意味意のままにされているみつきは気づいていない。

本当に面白いぐらいに思い通りにいくのだから、手放せない。

「なら、お望み通り」
「!?」
「分けてアゲルね?」

眼鏡の奥の瞳にゾクリと背中からくる恐怖に
みつきの表情は硬くなった瞬間だ。
顔が急に近くなったと思ったら男の唇はみつきの唇に触れるどころが
深い口づけを交わした。
ぬるっとしたその口の中のモノに驚きながらも抵抗をしてみても
がっちりと頭を固定されて、知らぬ間に壁に押さえつけられているのだから
逃げ道なんてものもない。
口の中にいる自分の下を探り出されて舌を蹂躙されている感覚。
逃げられない、ゾクゾクと背中が伝う感覚がまた恐ろしい。
脳内が霧のように霞んで理性が溶けていく感覚がする。
その溶けた感覚はひどく甘美で抵抗がピタリと止まってしまう程
みつきには余裕がない。
逃げられないと動物の本能のようなものなのかなんなのか。
堪能した博士とみつきの唇が離れた時にはぐったりとしているではないか。
その顔はそう、「ラボでは誰も見たことない欲情する女の表情」だ。


「素直にイッてくれれば、ご褒美があるよ?」


****


ラボという神聖な場所でなんてことを・・・
教授が使っている部屋にある簡易ベッドにみつきは静かに
自己嫌悪に落ちていた。
研究室の奥には教授専用の部屋がありそこで…
そのショックには神聖な場所でやった情事・ガタが外れた己への嫌悪感がある。
それに加えて簡単に乗せられてしまった男へ嫌気。

その根源といえば楽しそうに珈琲を作って持ってくるモノだから非常に腹ただしい。
簡易ベッドのシーツに綺麗にくるまりながらも皺が寄ってしまった
洋服がとりあえずこれ以上酷いことにならないようにまとめていれば
彼はまたタバコを吸いながらマグカップ2つもってやってきた。
しっかり洋服は着ていてその顔は余裕綽々である…
しかしこの感情のジェットコースターに体力を使ってしまったからか
もうみつきは怒りと言うよりも呆れに感情がシフトしてしまっている。
素直にコーヒーをもらうと彼はベッドに腰をかけた。

そして頭をポンポンと撫でるものなのでもうされるがままだった。

「知らなかったんだよねェ、僕のかと思ったからさ」
飄々とした声を聞くと本当に反省してないな、とみつきは悪態をつけた。
コーヒーはブラックで目が覚める。
「もうそれでいいですよ。その代わりにホワイトデーはしっかりと
倍返ししてくださいね」
「それってーーー誘ってる?」
「冗談も程ほどにしろよ!くそ教授」

その手は教授を叩こうとしたがまたもや唇を奪われる。
しかしその唇はとても甘く、それはまるでみつきが望んでいた
チョコレイトの味がした。
「ほら、ご褒美でしょ?」
「…素直に食べさせて欲しかったですよ…」


その言葉は次のキスにて吸い込まれてしまった。



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