空条家に着けば驚いた顔をされた。
ホリイは傷ついた花京院という青年をみてまさかケンカを!?
と信じられない顔をしていたがみつきをみたらさっと青ざめていた。
「え・・・みつきちゃん!?」
血まみれのは花京院だけじゃなくみつきもとわかると
みつきは苦笑いしていたがホリィは黙ってはいなかった。

「承太郎・・・あなたがやったの?」
「今はそれ所じゃねえんだ・・・オレはじじいを探してる」
「おじいちゃんは茶室にいると思うわ・・・」
指をさして茶室の方へ行こうとしたときだ。
ぐいっとみつきの腕をホリィはつかんだのだ。
しかも思いっきり。



「女の子だから、あんまり怪我しちゃだめよ?」
「あはは、ごめんなさい」
みつきちゃんは私が手当てするわ!と微笑むホリィに
それはそれで助かると思ったのか承太郎は承諾した。
みつきには手当てしたら茶室にこいと承太郎から言われ
承太郎は茶室にいるジョセフに会いに、ホリィはホリィで
洗濯するわ。と替えの用意までしてくれたのだった。


足に関しては、悪りょ・・・スタンドで触れたからか
命令したおかげで動いていた・・・が解除した時には
酷い痛みを伴っていた。
麻酔が切れた感覚に少し似ていて怪我した当初よりも
痛みは更に倍増していて同時に鈍い感覚が襲ってくる。

声や声色には出さないようにしているが声が震えそうだ。
そんな彼女の心配をホリィはそっと綺麗な白い布で
手当てをしていた。しかし歩いて血は乾きカサブタに
なっている・・・もう血の心配はないだろう。

「結構血が制服に染みこんでるから今お洗濯しちゃうわね!
今日はうちに泊まっていきなさい」
「え・・・でも」
「きっと、承太郎もそういうと思うわ。隣だけど一人でいるよりも
今日は沢山人がいるから安心して寝れるわ!」
「・・・じゃあ。」
「決まりね!一応背中とかも見るから見せてもらっていい?」

そうだ、今治療してもらっていて足が重症だからと集中的に
見てもらったが、花京院と闘うときに攻撃を受けた際も傷がついているのか・・・
それじゃあ、と背中をホリィに向けるとうんうん、と素直に背中を向けた。





***


数時間後、やってきたのは承太郎だった。
茶室に来いといったのにこっちに出迎えに来てくれようで顔をみて
少しほっとした。
制服はホリィが持っていってしまっており服はホリィの私服であり
目が一瞬だけ点となった承太郎をみた。
「大丈夫かよ」
「うん、無理矢理ついていってごめんね」
「いや・・・みつき、お前の・・・スタンドの事だ」
その言葉を聞いてほっとしていた顔が凍ってしまった。
「・・・・そうだね、ちょっと待っててね」
座っていたみつきは少し息を整えて立ちっぱなしの承太郎の前に手を伸ばした。
「ごめん、立ちたいから手を貸してもらえるかな」
そういって承太郎の手に触れた瞬間
ピシリと手が動かなくなった。

「承太郎が私の身体をお姫様だっこする」
そういう独り言をいったみつきに眉間の皺が寄ったが
承太郎の身体は承太郎の意思に関係なくみつきの言葉通り動き
みつきの身体を引き寄せ、お姫様だっこをしたのだ。

「こういうこと。ちなみに私が解除の念を送ってまた承太郎に
最初に触った場所に触れば元に戻るよ」
驚いた?といって承太郎の手に触れると、確かに承太郎の意思で
次は身体を動かせるようになっていた。


「これが、みつきのスタンドか・・・」
「うん・・・丁度承太郎が悪霊っていってた時期より少し前から
この能力使えるようになったんだ」
あ、もう下ろしても大丈夫だよ、といってはみたが承太郎は
一向に下ろしてくれそうにもなく言葉がつまる。
とりあえず自分のスタンドについては話さなくてはと思い
顔が近くても話を続けた。

「私のスタンドは勝手に名前付けてるんだけど『マリオネット』っていうの。
実体化できるけどスピードがないからね。」
「そうか」
「・・・怒らないの・・・」
「何でだ」
いつものような承太郎に少し不安があった。承太郎には幼馴染という感情があって
共通点の部分に関しては情報提供を勝手にしていたからだ。
今回は承太郎に関わる不良達を勝手に操っていたのにソレに関して
彼は何一つ言ってこないのだからだ。


「マリオネット・・・一種の人形使いか。」
「そう・・・!そういえば花京院さんは!?」
「ああ、肉の芽を取り除いた生きている」
肉の芽・・・一体何のことだろう。
そう思っていると「みつきちゃんはいるかね?」と部屋に今朝あった
承太郎の祖父と外人がやってきたではないか。
びくっと身体を動かしても既に遅し、承太郎がみつきをお姫様だっこしているのを
目撃して、褐色の肌の外人は目を瞬くだけでジョセフに関しては
「いや〜流石ワシの孫じゃな。」と意味の分からない事をいってのけている。



話は戻り、なぜ承太郎にスタンド能力が出るようになったのか
肉の芽の正体、花京院典明がどうして承太郎を殺そうとしたのか・・・
沢山の用語と流れてい来る情報網にみつきは目がまわりそうだった。

ジョースター家の話も聞いてしまった。

「つまり、DIOという人の仕業ってことですね」
「そういうことになるのぉ・・・しかし・・・みつきちゃんにも
スタンドが現れていたとは・・・」
恐れ入ったわ、と顎に手をそえジョセフは考えていた。
褐色の肌の男性・・・名前はモハメド・アヴドゥルという。
「これも一種の運命なんでしょう」

そしてスタンド―――スタンドは一種の超能力という事、そして
スタンドが傷つけば本体も傷つく・・・そしてスタンドの姿は
スタンド使いでなければ見ることができず
スタンドでなければスタンドに攻撃できないとの事。


「君の・・みつきの力は遠距離操作型タイプ、触ると相手の意識
思考はそのままだが命令は絶対のようだ」
「どうして・・・それを・・・」
「なあに、私は占い師だ。みつき・・・君がその能力を持つことは
ジョースター家と関わっている運命だ」
「・・・運命」
笑って言う彼につい真顔になってしまった。
そんな顔を察してか「さて」とジョセフは立ち上がり
可愛くウィンクしこう言った。
「今から花京院の布団を敷きに行かなくてわな」と。


***


夜になれば空条家は静かに闇に包まれていた。
食事も終え、ジョセフが敷いてくれた布団に身を包ませ
みつきは眠りにつこうと目を閉じる。
しかし、眠くても痛みはまだ治まっていなくまだ痛みが伴うようで
初めて死体をみてナイーブになっているのか頭を冷やす為に
空条家の庭を見ることにした。



「起きてたんですか・・・赤坂さん」

その声に、ビクリと体が一段と震えた。
襖を開けて廊下に出たら後ろから聞こえる声・・・


「・・・かっ花京院・・・さん」
振り向いてみれば罪悪感ありありな表情の花京院が目の前にいるではないか。
しかし、始めてみた時の彼の顔とは少し違っている。
(そうだ、彼はDIOの肉の芽を抜かれたから・・・)
正気に戻った、そういうことである。


20160430


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