僕は今、いままで生きてきた人生の中で一番緊張しているかもしれない。


「慧君?」



なぜなら今日は真奈美の誕生日だからだ。

僕は…今日、真奈美に



「慧君ってば!」
「え?あぁ…どうした、真奈美」


考えごとをしていたら真奈美の声が聞こえなかった。ダメだ、らしくないぞ。デートに集中しなくては。


先ほどの続きだが
僕は今日、真奈美に



プロポーズをしようと思っている。


指輪は既に購入済みだ。那智にも相談した。
あとは僕がプロポーズして、真奈美の返事次第。



もし断られたら…
そんなことを考えては真奈美との誕生日を楽しめないでいた。



「今日の慧君おかしいよ?」
「そ、そんなことはない!」


真奈美は僕のことなんかお見通しなのだろうか。このままでは悟られてしまいそうだ。





「真奈美、今日は言いたいことがある」


真奈美は「ん?」と言いながら僕をまっすぐ見つめる。
心臓、うるさいぞ!


「まず誕生日おめでとう、生まれてきてくれてありがとう」


驚いた表情を見せたがすぐに満面の笑みで「ありがとう!!」と言う。


「それと、」
「?」
心臓が壊れそうだ。
緊張で赤いであろう顔を俯けた。

強く目を瞑る。


言え、僕!
動け、僕の口!


「ぼっ、僕と!」


はぁ…
落ち着け。
深呼吸だ、
さあ!言うんだ、僕!







「僕と結婚してください」




真奈美が「ありがとう、ありがとう」とぐしゃぐしゃに泣くから僕も泣きそうになった。




「僕のほうこそ、ありがとう」




(君の笑顔を守ると、誓おう)
これからもよろしく、ありがとう



fin

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