おかえり。

真奈美が泣きそうな顔して帰ってきた。それでも笑おうとしてるから靴を脱ごうとする真奈美を抱きしめた。


「那智、く…ん?」


おれの腕にすっぽりおさまるくらい小さいくせして頑張りすぎ。


「…………何かあった?」


そう尋ねると真奈美のからがビクンと震えて腕の中で泣き出した。
やべ。聞いちゃダメだったか。ああ、そうだよな。


「ごめん」


首を左右に強く振って「那智くんは悪くないから」と言った。


「よしよし」


おれはそれでも泣き続けていた真奈美の頭を撫でてやった。自分が泣いてるのにおれのことを気遣ってくれるこいつが愛しい。


「え、…んんっ」


突然のキス。真奈美は真っ赤になった。少し俯いてからためらいがちにおれの目を見て、笑った。

おれはもう一回真奈美を抱きしめた。さっきより強く。


「もう……、真奈美のバカ」



可愛すぎ。



(ごめん、ありがとう、愛してるよ)
ああ、もう好きで好きで好きで。



fin
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麻耶さまへ 捧げます。


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