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  DTOと10K(と六)


俺と六とKKと、まあ所謂何時もの面子でうだうだ呑んで。程よく出来上がってたときに、メールが来て。
こいつらも知らない仲じゃないし。会場は六ん家だったし。一緒に呑んだことはなかったけど、よかったら来いよー、ってさ。そんな軽いノリで。

一応六とKKにも聞いたし。ひとり増えてもいいか?って。おー、いいぞー、ってやっぱり軽いノリで了承は得てた。
間違いなくファットかハジメあたりだと思ってるのを分かってて、訂正しなかったのは、まあ。ほんのデキゴコロって奴ですよ。酔ってたんだもん。

いやだってさ、こんなことになるとは思わ…ないでもなかったかな。



「夜分に失礼します」


メール返して15分。何時でも折り目正しい伯爵サマは、このぐだぐだの飲み会へもかっちりしっかりやってきた。


仕掛けた俺は元より、これしきじゃ動じない六は手土産も含めて大歓迎。一方で、完全不意打ち喰らったKKの、奴の声が聞こえた瞬間の間抜け面といったら!
いやー、こいつとの付き合いももう大分になるけど、あれ程焦ってるとこは初めて見たかもしんねー、って位に傑作だった。

酔いなんて一気に醒めたらしいKKが慌てて逃げを打つより、家主に招かれたテンが奴の隣に座りこむ方が一瞬早い。
ちゃっかり襖への動線は塞いで、更におじゃまします、なんて一分の隙も無い伯爵スマイルで微笑まれたら、KKは逃げれもせず引き攣った愛想笑いを浮かべる他ない訳だ。

あれ、こいつ意外とちょろくね。
いや、俺がやったら蹴られて終了なのは知ってっけどさ。


六が嬉々としてワインとチーズを広げ出す間に、KKの飲みかけの焼酎は手元から奪われ押しやられて。
それをジト目で睨みこそすれ、文句の一つも言わないとか。さっきまで俺の業務をクッソこき下ろしてくれやがってたくせに。
つかテンが余所見した隙に俺睨むの止めてくれませんかね。怖いから、割とマジで。

とは言え、神を呼び出したときみたいにガチの殺気飛ばしてくる訳でもないから、喜んでるは喜んでるんだよな。知ってた。
テンはテンで、好意を隠す気も無い癖に、トドメは差しちゃくんねえしな。
絶対に最後の逃げ道は残して、自ら白旗降るのを待ってやがる。退くにしろ階段上るにしろ動かなきゃならねえのは、KKになっちまった訳だ。
駆け引きにもなりゃしねえ。テンが策士とか、それ以前に、オチちまってるんだからどうしようもない。

無自覚でもあるまいに、いい加減ゲロって認めちまえよ。



行儀悪くコップになみなみと注がれたワインが、自棄酒にするには美味すぎるから、まあ、あと2、3回ならこいつら肴に呑んでやってもいいけど。




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三途さんお待たせしましたああああ!!!!!
DTOから見た10Kを意識したら六さんがどっか行きましたスミマテン!でも10Kには愛を全力で投げつけたのでどうかお納め下さい…!
もだもだするおっさんがだいすきです。DTOは軽いノリでいろいろ許容してくれてると私が嬉しい。

 

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