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  9/28 MZD's birthday


けっこう前の話。
神様の誕生日はいつなの?って聞かれて、じゃあ9月28日でって答えたのはその日が一番最初のパーティを始めた日だったから。

ま、俺様みたいな筋金入りの神様だと、生まれた頃には暦どころか世界も無かったってのもあるんだけど。
『神様』として一般の皆様の前に現れたのはその日が初めてだったから、そういう意味で誕生日でもいいかなって思ってさ。

それがこんな大層なことになるなんて。


「MZD!」
「お誕生日おめでとー!!」


それは仕事場に入った瞬間、ミミニャミのクラッカーから始まった。

それからくるわくるわ、今までパーティに参加してくれた奴らがみんなして俺の誕生日を祝いに来てくれちゃったわけ。
そういえば参加者の誕生日を一覧にしよう!ってミミニャミが張り切ってたけどさ、これは嬉しいサプライズすぎない?


「そりゃあ神様の誕生日だってんだから、お伺い立てんのが筋ってやつだろ」


なんてにやりと笑うけどさ、六、お前俺に対して信仰心なんてカケラも持ってないよな。修もファットもだよな、お前んとこ。別にいいけど。
俺を神様だって、信じてても疑ってても、今日を祝おうって来てくれただけで本当に嬉しい。パーティやってよかったって思うよ、本当さ。


けど。でも。
朝から祝ってもらって、もう充分以上だってのにどうしても、ひとつ足りない。


「アッシュのケーキでは不満だと?」
「そういう意味じゃないと思うッスよ、ユーリ」


ケーキはすごく嬉しいよ。いや、ほんと。ユーリの笑顔が怖いとかスマイルが何かアヤシイものを振りかぶってるとかは関係なく。美味しいし。
アッシュのケーキだけじゃなくて、今日貰ったプレゼントも歌も踊りもみーんな嬉しい。それらに足りないところなんてない。これ以上の高望みなんて、怒られるだろうけどさ。


「ええもちろん。貴方が一番欲しいモノはちゃあんとリサーチ済みですとも」


無駄に格好つけたタマネギ、もといエージェントが勿体付けて差し出したのは可愛らしいネコの封筒。格好つけきれないところがこいつだよな。


「セッティングはミス・カレンダーがされてますから。安心して楽しんできて下さい」


キザったらしいウインクと共に俺は宴会場へと変貌していた仕事場から送り出された。主役なんだけど。
まあ楽しめたからいいか、と、さっき貰った封筒を開く。中には、今月はセプテンバーになるのかな?件の美女スパイが書いたらしきメッセージカードと、カードキーが一枚。

カードのメッセージを読んだ瞬間、俺は持てる力を惜しみなく使って、指定された場所へ急いだ。



時間にして三秒ほど、辿り着いたのは豪華なホテル。受付を速攻で済ませカードキーに書かれた部屋へ。スイートルーム…なんてことはなく、普通の一室。いやそれは何だっていい。重要なのは。

ベッドに座ってる、KK。


「遅い」


大層ご機嫌悪く、KKはふかしていた煙草を灰皿へ押し付けた。何時から待っていてくれたのか、灰皿は吸殻で山盛りだ。
嬉しくて言葉の出ない俺に、KKは傍に置いていた袋を顔面に向けて投げつけてきた。幸い柔らかかったのでそこまで痛くは無い。中身は…帽子だ。買おうか迷ってたやつ!

え、これ、誕生日プレゼント!?もしかして!?KKから俺に!!?


「いや何のためにここに居ると思ってるんだよ」


呆れた声音が肯定する。ハッピーバースデー、神様。素っ気ないくせに綺麗な色の声。足りなかった最後の1ピース。
俺は心の中で割とマジにスパイ二人へ感謝しながら、思い切りKKへ飛びついた。




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神様ハピバ&ポップン15歳おめでとう!
KKさん誕生日祝ってくれなさそうだなと思ったらこんなことになったけど祝う気持ちはあるよ!


 

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