男の子は誰だってそうでしょう!?







『バレンタイン』

この日は、女の子が男の子にチョコをあげる日。
心の中にある恋心を告白する日。





「そんな認識、今はもうないよね〜」

教室でいつも通り皆で昼食を食べてた。
先輩の元親、元就、慶次、同級生の幸村・・・そして。
恋人の、佐助。
いつものメンバーで、いつものように、昼食を食べていた。
その時、慶次が言った。
『そう言えば明日、バレンタインだよね』と。

バレンタイン。
男に女がチョコを渡して愛を告白・・・とか言われてた日。
だけど最近のバレンタインは違う。
女は女同士で交換する所謂『友チョコ』に夢中。
義理チョコすらも無くなってきている。
ましてや本命なんて・・・一体この日本に居る女の何%が渡しているだろう?
慶次の言う通りもう、『女から男へ』の認識は無くなってきている。
『逆チョコ』なんてモンまでできちまってるしな。


「でもよ、政宗は毎年貰ってんだろ?羨ましいよなー」

「・・・貴様は食べたいだけであろうが」

「だよね〜。毎年貰いまくり」

「モテる男はいいねぇ〜」

「別に、ンな事ねぇし・・・」


慶次達に冷やかされて斬り返しに困ってると、横から冷ややかな視線を感じた。
恐る恐る横を見ると、ものすごく冷めた目で、佐助が俺を見てた。

「さす・・・け・・・?」

「何?」

「・・・何でもねぇ」

「そう」

怒ってる。
多分、怒ってる。
佐助が、怒ってる。

俺が横の視線を気にしながら食事をしていると、佐助が「じゃあ俺、次の時間の宿題終わってないから」と言ってさっさと出て行ってしまった。
いつもは食べ終わってからも一緒にいるのに。
一緒に喋って、ふざけて・・・そやって休み時間過ごすのに・・・。
なんだか、この距離が寂しかった。






帰りも、佐助は一緒に帰ってくれなかった。
HRが終わるのが遅くなって、佐助の教室に迎えに行くと、佐助はもういなかった。

独りぼっちで家までのこの道を歩くのは、いつ振りだろう?
なんだかすごく長く感じる。
寂しい。
いつもは佐助と一緒に歩いてた。
凄く短く感じて、もっと長ければいいのにとか思ってた。
けど、こんなに長かったんだな・・・と思う。
家まではまだまだだ。
凄く気分が、沈んでいた。

「・・・折角、作ってたのに」

バレンタイン。
変に思われるだろうか?とか色々思ったけど、それでもやっぱり、と作ったチョコレート。
大好きな佐助のために、初めて作った。
溶かして固めるだけって言っても、凄く難しくて。
途中で分離したり、鍋ひっくり返しそうになったり・・・とにかく大変だった。
それでも佐助の為にと一生懸命作った。
初めてだし、あんまり納得いくようにはいかなかったけど。
でも、気持ちはいっぱい詰め込んだ。
・・・なのに。
なのにまさか、前日にこんな事になってしまうなんて。
悲しくて、しょうがなかった。
















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