ルーズリーフと赤ボールペンがなくなったので、図書館に行く前に文房具店に寄ることにした。三年生になってからはよく通うようになったので、ここの店員さんにはもう顔を覚えられているだろう。それは若干恥ずかしいけれど、ここはたくさん物が揃っているのでやっぱり通っている。
いつものルーズリーフと赤ボールペン、それからついでに青ボールペンも買っておくことにする。他にも何か買っておく物はあったかと顔を上げると、見知った後ろ姿が近くにあった。

「今吉くんだ」

やっぱりこの近くに住んでいるなら、ここに来るのだろう。声をかけようと近付こうとすると、向こうから今吉くんに駆け寄ってくる人がいた。桐皇学園の制服に桃色の長い髪の毛。その女の子は今吉くんに駆け寄ると、何か楽しげに話しかけていた。今吉くんもそれに笑って応える。
もしかして、私はすごい大きな勘違いをしていたのかもしれない。それもそうだ。あんなに格好良い今吉くんだもん。彼女がいないはずがない。それに、あの桃色の髪の女の子はすごく可愛い。つまり、そういうことなんだろう。
私は今吉くんに気付かれないようにレジに向かうと、ささっと会計を済ませて外に出た。

「バカみたいだなぁ、わたし」

今日からまたしばらくは家で勉強しよう。




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