3
「愛してるんだ、ナルトを…っ、だから ―」
「嘘だってばよっ!」
言葉で突っぱねられても、もう僕は後に退くつもりはさらさら無かった。
力一杯胸を叩きナルトをどうにか抑えて、力強く抱き締める。
それから耳元で、ナルトに言い聞かせるようにゆっくりと口を開いた。
「嘘じゃない。」
「、んなの…だって…俺ってば、最低な奴でっ…」
「違う。」
「分かってるのに…、カカシ先生ぇっ…う、ぅ…ヤマト隊長っ!」
ナルトはあの日の晩と同じように泣いた。
きっと、どうすればいいのか分からないんだろう。
僕と先輩との間で板挟み状態になって不安で一杯なんだろう。
だから、僕が終わらせる。
例えそれが自己中心的な考えで僕自身の独断であっても、そんなものどうでもよかった。
「ナルト、」
「ふぁ、っ…隊長、何すんだってばっ…っあぁ、ん、」
壁に押さえつけて身動き出来ないナルトの首筋に舌を這わせ、衣服を間探った。
はふはふと、息苦しそうに眉を寄せるナルトが淫猥で、堪らなくなる。手で胸の飾りを転がせば、抵抗の言葉が突き刺さるが気にも止めなかった。
「…ん、…はぁ…隊長っ!」
「もう楽になればいいよ。」
「………っ!」
「ナルト、」
僕の言葉にナルトは震え出し、そっと呟いた。
その言葉は ― 僕が望んだ言葉だった。
「…終わらせて、くれんの?…隊長が…?」
その言葉を合図にためらいは完全に無くなって、行為は激しさを増した。
ナルトを抱えてベッドに運び、それから沢山口付けた。
愛してる、それだけを伝えたかった。
「ナルト、君には幸せになって欲しくて…でも、もう我慢できないんだ。ナルトが傷つけられるのは…っ」
「…っ、…ひっぐぅ、」
ナルトの嗚咽が大きくなったかと思うと、突然首に手を回されぐっと引き寄せされた。
その間にも繋がってる所はナルトが無意識に締め付けていて正直言って理性を保つのに必死だった。なんとか抑えてナルトの涙を唇を添えて拭ってやる。
「も、本当に…っ…訳分かんねぇってば!カカシ先生が好きだったはずなのに…俺ってば、ヤマト隊長といるとっ、安心して…心地よくって…う、うっ」
「ナルト…、」
ナルトは戸惑っていて、それでも嗚咽を漏らしながら僕を呼んでいた。それが堪らなく愛しかった。
けれどナルトが僕の背に手を回して、多分無意識だろう腰を揺らして徐々に僕の理性を追い詰めていく。
「愛してる…、」
「…ヤマト、たいちょ…ぁあっ…ん、くぅ…はぁんあぁっ!」
汗ばんで濡れたナルトの前髪をかきあげて、額にキスをした。
まだ涙を目に溜めているナルトのはにかんだ笑顔が、僕にはとてつもなく綺麗に思えた。
それからは無我夢中でお互いに求め合った。
果てた後お互いに裸で抱き締め合いながら、ぽつりぽつり、話をした。ナルトは時折ごめん、と苦しそうに呟いたけれど次にはありがとう、と綺麗に笑った。
ありがとう、それを言うのは僕の方だった。
もう、手放さない、渡さないと誓った。
終わり
再掲
書いてみました思いのままに