[> 好きってどういうこと?








学パロ
焔緋別人警報←






「は?」

「だから、どういうことかって聞いてんだろ!」

「えっと…すまん、何がだ?」

「人を好きっていうこと」

自分の席で本を読んでいるとズカズカやってくるなり、前の席にこちらを向いて座った白銀が唐突に言い出した。

「何故そんなことを余に聞くのだ…」

「劉黒に聞くのはなんか面倒くさそうだし、洸に聞いてもニタニタ気持ち悪ィ笑み浮かべられたし、祀翠に聞いたら焔緋のほうが詳しいって…」

だから焔緋の元へ聞きに来た。
そう言う白銀は何故か真剣な表情で此方を見つめる。

仕方なく読んでいた本にしおりを挟むとパタリと閉じた。
(というか祀翠…余の方が詳しいってどういう意味なんだ…)

無責任に厄介事を押し付けられた気がして額を手で覆う。すると おい、聞いてんのかと白銀が机をバンバン叩きだした。

「では白銀は人を好きになったことがないと?」

「ああ、多分」

「多分?」

「その好きになるってことがイマイチどんなんかわからねぇんだよ。世間一般じゃ其れに気に入って心が惹かれるっていうことらしいけど…。
…つかそういうテメェはあんのかよ」

「十数年生きているのだからな」
一度くらいは…と言葉を濁す。

…というか自分だって知ったのはつい最近だった。
最初はわけもわからず、その感情にうんざりし一人で頭を抱えていたら、心を読んだのか祀翠に指摘された。

『それは 恋 だね』

その時の祀翠の(楽しそうな)顔は今でも鮮明に覚えている…。

その様子に白銀は眉を机に肘を付き、寄せて不機嫌そうな顔をした。
なんだ、余が恋愛をしては駄目なのか?

「テメェが好きになる相手なんて相当変わりもんなんだろうな」

「……」

「んだよ…揃いも揃って、恋愛だのなんだの…」

「…白銀」

「そんなに大事なことなのか?あー胸糞悪ぃ!」

「白銀」

「んだよ!!聞こえてんだよ糞餓鬼!」

「何をそんなに苛ついているんだ…」

「!別に苛ついてなんかねぇよ…ただムカツクだけで…」

「何に対してそんなにムカついている?」

「……わかんねぇ…けど
お前に好きな奴がいるってことがムカツク…」

白銀は目を床に向け眉を下げて先程怒っていた表情とは裏腹に悲しげな顔をした。

「何故余に好きな奴がおるとムカツクのだ?」

理由はわかっている。それでも目の前にいる人にも早く気づいて欲しくて意地悪に質問する。

「それは――…」

焔緋は俺のものだと思ってるから、

そう言った後で彼は一瞬分けがわからなくなったみたいに目を見開いて、そしてすぐに顔を真っ赤にしガタッと音を立てて席を立ち口をパクパクさせた。

「もしかして…!っん」

言い終える前に少し強引に腕を引き口付けた。

「"好き"って こういうこと」

ニヤリと笑ってやると白銀は悔しそうに顔を赤くしたまま目を逸らした。







(後日)

「お前が好きになった相手は俺だったってことだよな」

「ああ」

「…(ちょっと頬を赤くしながら)
んで、それはお前が気づいたのか?」

「いや、祀翠に読まれた」

「え それって…」

「ああ、二人してしてやられたな」

そのことを祀翠本人に問い詰めてみたところ、 だって二人とも両思いなのにどっちも積極性が欠けてるせいで見ててちょっと腹立たしかったんだっ と満面の笑みで言われたそうだ。



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結構前に書いた下書きだったから
多分勉強会よりも前の話で焔白学パロの
馴れ初めみたいな…?






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