[> fragile love







草立草
大好きな某歌手のF/r/a/g/i/l/e という曲を聞きながらベースにできたもの







「あーーもう!なんでお前はいっつもそうなんだよ!草灯!」


くだらないことで喧嘩をする。喧嘩というか一方的に立夏に怒っているだけというか…。
いつも俺が立夏に抱きついたり、好きだよと囁いたりするが、立夏にはソレが嫌いみたいで空回り。(今もガミガミ怒られている…。)
俺自身こんなに人に「愛しい」と想うことなんてなかったし、それ故にどう伝えていいのかもよく分からない。


「……まあ俺も怒りすぎた。…寒いから早く帰ろーぜ」

シュンとしてた?であろう俺に寒さで少し頬が赤くなって、目を少し逸らし気味で
立夏が小さな手を差し出してきた。それに添えるとひんやりと冷たさが伝わってきた。
温めるように包み込むとふわりと立夏が微笑んだ。


「立夏はかわいいね」

「お前はいつもそれだな…、俺なんかよりも小学生に怒られてシュンってしてる草灯のがよっぽどかわいいと思うぞ?」

そんな風に言われるなんて思っていなかったからドキっとして平然装って誤魔化す様に笑った。火照った頬を冷たい夜風がかすめ心地よさに目を閉じた。




「はい、到着」

「ん。じゃあまたな草灯」

繋いでいた手がするりと抜ける。
瞬間にぞわりと寂しさがこみ上げた。
そして気づいたら小さな立夏の体を抱きしめていた。いつも抱きつくようなのとは別に壊れ物を大事にするようにそっと優しく包んだ。
いつもと違うそれに立夏は不安気に俺の名前を呼ぶ。


「一緒にいたい」


我ながら弱く情けない声をあげて泣きそうになる。
そんな我が儘も優しい主人は俺の腰に手を回し ギュッと抱きしめ返してくれた。


「立夏、好きだよ」


「好き」も「愛してる」も言い慣れてないけど、それでも「立夏と一緒にいたい」気持ちは変わらない。俺は立夏のためなら何だってできる。


「立夏」

求めるように名前を呼ぶと腰に回っていた腕は離され、まっすぐ俺の顔へと伸ばされ 誘われるようにしゃがむと小さな手が頬を包み込んだ。
そして立夏は優しくて切なく口づけをした。


「もう何も言うな」




fragile love


立夏を好きになり ずっと守っていこうとする誓い
きっと出会えたことから全て始まっていたのかもしれない。
そう思えた気がした。


















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