*拍手においてたあれです。



「ねえねえグリーンくん。」

「なんだよ?」

「おじいちゃん、どれがすきかなぁ」

私は今、タマムシデパートにいる。
それもあいつと一緒に。

なぜ、私がここにいるかというと

「あー、これとかでいいんじゃねーのか?」

「せっかくのおたんじょうびプレゼントなんだからちゃんとえらぼうよ!」

そう。

おじいちゃんの誕生日プレゼントを選びにきたからなんですよ!

あ、移動はおじいちゃんにお手伝いするからって嘘をつき、鳥ポケモンをかりたのでそれで。

おじいちゃん、タマムシ行くっていったら心配して着いてきちゃうと思うんだよねぇ…。

で、内緒のお買い物にあいつと来たんだけども、真面目に選ばないあいつ。

…何故だ。
おまえ、じいさんっ子しゃなかったのかよ!?
…なーんて思っても仕方がないので、諦めて商品の棚を漁る。

「あ、これなんかどう?」

たくさんある商品の中から、私は1つのコップを取り出した。
白がベースのマグカップ。そこには優しい茶色の水玉がプリントされていた。

「いんじゃねーの?」

「…もうこれかってくるね」

駄目だ、こいつ使えない、と理解した私はさっさとレジへ向かうことにした。

大人たちの間をすり抜け、レジへの道を歩む。

おじいちゃん、喜んでくれるかな?笑ってくれるかな?なんて子供みたいなことを考えてしまう。
…私もずいぶん、おじいちゃんっ子になったもんだ。

おじいちゃんの笑った顔を想像して一人でニヤニヤしていると、人と人の隙間からレジが見えた。

よし、あともうちょっと!と思ったその時、左肩に衝撃がはしった。

「……!!」

声を出す暇もなく、私の身体は横に倒れる。

このまま倒れたらマグカップ割れて弁償だな、と諦めていた時、私の左腕をつかむ誰かがいて

「おまえ、なにやってるんだよ」

「…グリーン、くん」

私の体を支えるには小さいその手で、苦しい顔を少しもせず左腕をつかむあいつ。
…おい、いつからイケメンになった。

とりあえず、あいつの力をかり、もとの体勢に戻る。
あいつのもう片方の手には、何かが握られていた。

「グリーンくん、ひだりてのどうしたの?」

「…あーっと、…これもかいてーとおもって」

「そっか」

あいつが握っていたのは、私がおじいちゃんの誕生日プレゼントに選んだマグカップの色ちがいで、緑色と淡い橙色のものだった。

レジへそれらをもって行く途中で私はネックレスを1つ、つかんだ。










それからレジにて会計をしおえた後、鳥ポケモンに再び乗り、マサラまで無事に帰還した。

ここまで移動させてくれた鳥ポケモンに御礼をいい、タマムシデパートで買ってきたポケモンフーズを与える。
あたりはもう、オレンジに染まっていた。

美味しそうにむしゃむしゃ食べるそのこをみていると、無性に研究所にいるカゲボウズにあいたくなった。

「…よし、とっ!」

そのこが無事、食べ終わったのを確認してボールに戻す。研究所に戻ろう、と思い脚を進めようとした。が、1つだけ忘れていたことがあった。勢いよく振り返りあいつの方へ向き直る。





「グリーンくん!!」




オレンジの地面に2つの黒い影が伸びる。




「きょうのおれいだよ。うけとってね!」




夕日に照らされ、ネックレスのガラスの部分はキラリと光った。








伸びる影は縮まることを知らずに、









ありがとう、その一言は









黒い影に吸い込まれて消えていった







気が、





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