彼女の、裏側で





ポカポカと暖かい気温の中、俺はジムのテレビを暇潰しに見ていた。


今日はジム戦はない。だからといって遊びに行くような気分でもない。他にすることも思いつかばなかったからだった。



ジムのテレビは様々な情報収集が出来るようにカントー、ジョウト、ホウエン、シンオウ、イッシュと、様々な地方のチャンネルが繋がっている。どうせ見たいものもなかったので、いろんな地方の番組に切り替えながらみる。

それでもとくに興味がある番組はなく、1つ、また1つとチャンネルを変えていく。

それでもやはり自分の興味をひくものはなく、諦めてデスクワークに戻ろうとリモコンの電源ボタンに手を伸ばす。その時だった。




「速報です!ライモンシティにて大きな地震があり、遊園地で事故が起こったもようです!!」




消そうとしたテレビから聞こえてきたのはそんなニュースだった。多少興味がわいたため、電源ボタンに伸ばした手を引っ込めた。

地震だなんて珍しい。しかもライモンだけ。なにか理由があるのかと考えたがどうせ後で流れるだろうと思いその思考を切り捨てた。



現地にカメラマンがいるらしく、その映像はテレビを通し俺に伝えられた。画面に映ったのは凍った観覧車と沢山のマスコミ、そしてシャンデラを連れた女だった。


どこかで見覚えがあったその顔。どこで見たのか全く覚えてないが何故だか懐かしい気がした。撮されているのは横顔だったので正確には分からないが。



やがてその場に映っていた彼女は行動を始めた。下準備をしているっぽい。何をしているか詳しくは分からないが。それが終わると観覧車とマスコミに向かい下がれと諭した。…なにが始まるのだろう。



「じゃあいきまーす!!シャンデラ!!オーバーヒート!!」











風と共に彼女は振り返った。




携帯の呼び出しはもう耳には入らない。




どこかで聞いたその声。




どこかで見たその顔。




どこかで見たその足の包帯。













思い出す、名は
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