[ 2/7 ] "彼女の名前はなんというんだろう?" この疑問は入部した頃から、変わっていなかった。 そう、入部して数ヵ月たったいまでも彼女の名前を知らないのだ。 自己紹介の時も『内山』とだけしか行ってなかったし、他の先輩方から呼ばれる時も、『内山』とだけしか言われていない。 友達や、他の先輩方に聞いても、『本人に聞いてくればいい』の一点張りだった。 だか、俺にはそんな勇気などなかったのだ。 だって俺は、彼女と喋ったことなどなかったのだ。 それどころか、挨拶1つしたことがないのだ。 …口からはため息しかてでこず、俺の髪はただ風に揺れるだけだった。 |