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"彼女の名前はなんというんだろう?"

この疑問は入部した頃から、変わっていなかった。

そう、入部して数ヵ月たったいまでも彼女の名前を知らないのだ。

自己紹介の時も『内山』とだけしか行ってなかったし、他の先輩方から呼ばれる時も、『内山』とだけしか言われていない。

友達や、他の先輩方に聞いても、『本人に聞いてくればいい』の一点張りだった。

だか、俺にはそんな勇気などなかったのだ。

だって俺は、彼女と喋ったことなどなかったのだ。

それどころか、挨拶1つしたことがないのだ。

…口からはため息しかてでこず、俺の髪はただ風に揺れるだけだった。

× ×
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