※上の続き


現実なのか夢なのか分からない世界で私は死んだ。

イヴちゃんの薔薇と交換で、メアリーに渡した命が散ってしまったらしい。
とても痛かったけど、これでよかったの。

だって、イヴちゃんとギャリーさんのことが守れたのだから。

…なんてきれいごとをいってみたけれど、本当はもっと生きていたかった。
彼らと一緒に生きてみたかった。

けれどそれはもう叶わない夢。

私はゲルテナの世界にとりのこされた。
もう、戻れない。

でも、自らの絵を通して私にとっての本当の世界のことを覗くことができた。

さよならをしたはずなのに、探してしまうのは彼らの姿。

もう会えない、そんなことはわかっているのに

暫く眺めていたが、見つけられなかった。

諦めよう、そう思い目をそむけようとしたその瞬間、彼らを見つけた。

「また、会いに来ましょ」

彼のそんな声が、聞こえた。

嬉しかった。
死んだ後も会えたことが。

「ありがとう」

思わずそう呟いた。
こちらの声は聞こえないだろうけど


もう戻れない世界へ
 (私は今、とても幸せです)

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