アタシは付き合って4年目のクラリスと同棲している。

彼女は世にいう幼なじみという存在だったから小さい頃から彼女を知っていた。

容姿端麗、スポーツ万能、成績優秀というなんともうらやましい限りのものばっかもっていた彼女は、アタシと同棲している今でも告白されたりしている。
…まあ、ちゃんと断ってるみたいだけど

彼女いわく、あんた以外に好きなヤツいないもん、らしい。
ほっぺをふくらませてちょっと怒りながらいう彼女はとてもかわいく、心配する必要ないからねと少しご機嫌ななめ。
ふくらんでいるほっぺをつい、とつつくと彼女は顔を真っ赤にさせてもう!なにしてるの!
なんて怒った。
そんな彼女もかわいい。

そんなかわいい彼女だが、欠点が1つだけあった。

ゲームが好きすぎることだ。

彼女は戦闘ゲームから乙女ゲームまで幅広いジャンルのゲームをもっている。
そこにはシリーズ化されたものや初回限定版までそろっていたりする。

…それは別に問題ないんだけど、問題は彼女がプレイしている時のことだ。
クラリスはアタシがいるときでも平気でゲームをする。…彼氏であるアタシをほっぽってでも。

今もその状態だったりする。
どうにかこの状況を打開しなければ!と思い
只今dSを使っている彼女に話しかけることにした。

「ねぇクラリス。何のゲームやってるの?」

「ん?今はウィッチ〇イルっていうのやってるの。」

そうタッチペン片手に此方を一切見ないで彼女はいった。

全く分からないゲームだったのでなんとも言えず固まっていると、タッチペンじゃなきゃ操作出来なくてめんどいの、とか2週しないといいED見られないのだとかいいながらひたすら画面をタッチペンで叩いていた。

正直いうと、つまらなかった。
ソファーでひたすらゲームをする彼女の後ろにまわっても気付かなかったみたいだったので少し意地悪をしてみたくなり、彼女の手からゲーム機を奪い取ってみた。

「ちょ!なにするのよ!あともうちょっとで吸血鬼に勝てるのに!」

そんなことをいう彼女の言葉を無視し、ゲーム機を脇において、文句をいうために此方を向いた彼女をそのまま腕の中に閉じ込めた。

ぬけだそうと必死な彼女を逃がすまいと抱きしめると、彼女の耳元に自分の口をちかづけた。

ぽっと赤くなる彼女をよそに、吐息がかかる距離でアンタが悪いのよ、と一言。

いまだに電源がついたままのゲーム機を後目に彼女にかけた言葉は


 こんなことより
(アタシを構いなさい、バカ)

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