「ってことで作戦会議をはじめたいと思いまーす!」

「おー!」

かわいらしくこぶしをあげるイヴちゃん。
まじかわいいわ、もう天使っていわれてもお姉ちゃんは疑わないからね!

「で、なにか具体的な案はあるの?」

「いいえ、まったく。」

この先こんなんで大丈夫かしら・・・なんてまじめに呟くギャリーさん。
そんなに重く考えなくてもいいのに

「とりあえず、いまメアリーはどこにいるのかしらね?」

「やっぱゲルテナ展始まる前においてあった美術館かな?」

私たちが話していると、あっそれなら・・・と控えめな声がきこえた。

「イヴちゃん知ってるの?」

たぶんだよ?たぶんなんだけどね?と
言葉をにごす。

教えてくれるかしら?と優しい素敵な笑顔でそれを問うギャリーさん。
すると、少しいいずらそうに口を開いた。



「私の親戚の人がやってる美術館かもしれない」


・・・・・・・・うそん

「えっ、えっと本当に?」

「うん。たぶんだけどね」

「ありがとう、イヴちゃん!その人の連絡先って分かったりする?」

「うん。電話してみる?」

「ほんと!?お願いしてもいい?」

「わかった!ちょっとまっててね」

ぱたぱたと効果音を鳴らしながら電話機があると思われるほうへ消えていったイヴちゃん。
残された私とギャリーさんはぽかんと口をあけていた。

「・・・こんなことも人生にはあるのね」

「みたいだね・・・。
これからちゃんとした作戦会議をはじめようとしたのにする前に終わっちゃったよ・・・」

「・・・とりあえず、簡単に見つかってよかったわ。うん。」

数分後、メアリーいたよー!!なんて聞いただけでうれしそうだな、と思う声が
この家の中にこだました。


「あのえあのね!メアリーに今からあいに来てもいいって!」

ぱあっと花の咲いたような笑顔で手をぱたぱたさせて説明するイヴちゃん。

「まあまあイヴ、おちついて。ね?」

「でもよかったね!イヴちゃん!」

うん!と何度も首を振るイヴちゃんは本当にかわいらしい。

「えっとね!親戚の人の美術館はここから駅二つぐらいのところにあってね!
二十分もかからずにいけるんだ!」

だから今日でも大丈夫だよ!!

そう告げるイヴちゃんに、冷静にギャリーは考え出した。

やがで、ひとつの答えをはじき出したのか、それなら行きましょ!と
私たちに声をかけ、腰を上げた。

「電車の時間はわかるの?」

「クラリス、アタシが何のために考えたと思ってるの?
ちゃんとアンタの店で薔薇を買う時間も計算していってるわよ」

さ、さすがギャリーさん。ぬかりがない・・・!

「じゃあクラリスお姉ちゃんのお店に早く行こうよ!!」

イブちゃんにせかされるように腕をひっぱられる。
一生懸命引っ張るその姿に小さく笑った。

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