「ちょっとクラリス!約束ってどういうことよ!?」
「クラリスお姉ちゃん、もしかしてその約束をした相手って…」
「メアリー…だと思う。」
私がそう言えばなんの約束なの?って可愛くイヴちゃんが聞いてきた。
答えてあげたかった。
でもまだいってはいけないの。
だってまだ聞いていないのだから
「ねえイヴちゃん、ギャリーさん。…メアリーのこと、好き?」
「大好きだよ!友達だもん!」
「そうね…どちらかっていえば好きよ」
どちらかって…って思っちゃったけどしょうがない。それだけ大変なめにあってるしね
「それじゃ、質問をかえるね。…メアリーのしたことを許してる?」
一瞬、目の前の彼女たちが悲しい顔をした気がした。
それはきっとそのときのことを思い出しているから。
ほんの少しの間、沈黙ができた。
…はじめに口を開いたのはイヴちゃんだった。
「許すとか…よく分からないの。でも、私はまたメアリーとお話したいな」
小さな女の子の考えた末の結果だった。
きっとまた会いたいっていう気持ちがあるなら大丈夫だろう。
「ギャリーさんはどう?」
今までずっと黙っていたギャリーさんに声をかけてみた。
するとギャリーさんは難しい顔をしながら、そうね…と呟いた。
「たしかにメアリーは…アタシを殺そうとしたわ。だけど、メアリーにはメアリーなりの理由があったって考えてるわ。」
「…」
「だから、許すとか許さないとかそういう話じゃなくて、アタシ個人ではなんでそんなことをしたのかっていう理由を、あのこが抱えているものの大きさを知りたいわ。それにあんな小さな娘を恨むなんて狭い大人じゃないわよ」
「そっか…」
二人とも、メアリーに会わせても大丈夫なみたい。これでやっと約束が守れる
「ところでクラリス。この質問の理由はなにかしら?」
「あれ?まだ言ってなかったっけ?」
「クラリスお姉ちゃん、教えて!」
しょうがない。
こんなに可愛くおねがいされちゃ答えない訳にいかないでしょ
暫しの沈黙。
真剣な顔で私を見つめる2人に覚悟を決めた。
やがてひゅっと乾いた息を吸う音が部屋に響いた。
静寂のなか、私の一言がこの部屋に広がった。
メアリーに会わせてあげるよ