あまりにも二人が美術館の話をするので、聞いてみることにした。

「結局、美術館でなんかあったの?」

…会話が止まった。

あれ?ヤバイこと言っちゃったかんじ?
そんなことを思ってると、クラリスお姉ちゃんにはいってもいいよね?なんていうイヴちゃんの声が聞こえた。そうよね…なんてギャリーさんの声も聞こえてくる。

すると、二人の会話が終わったらしい。二人は何かを決めたような目で、こちらを向いた。

「いいわねクラリス。これから話すことは全部本当のことよ」

「え、…話してくれるの?」

「うん!クラリスお姉ちゃんのためだもん!」

どうしよう…可愛すぎる!!
そんなことを思ってるうちに自分の世界に入ってしまったらしい。ちゃんと聞きなさいとギャリーさんの声が耳にはいった。すいませんと素直にあやまって話を続けてもらう。

「アタシがアンタと初めてあった日、覚えてる?」

「うん。あれでしょ?ゲルテナ展の最終日」

「そう。あの日、アタシもイヴもゲルテナ展にいってたの」

「それってさ、イヴちゃんが前いってた美術館の話と同じ?」

「そうだよ!」

あら、なんだ。聞いてたのねなんて呟くギャリーさん。なら話ははやいわ、と美術館でおきた出来事を聞かせてもらった。

………


……





話が終わった。

「嘘…でしょ?」

思わず口から漏れた。

でもたしかに、彼の口から発せられたのだ。

夢でみた少女の名…
"メアリー"が

彼女が自分の名を口にしたとき、最後まではききとれなかった。が、分かった。

彼女が捜していた二人はギャリーさんとイヴちゃんだったんだ

「だからクラリス、全部本当にあったことなのよ」

「クラリスお姉ちゃん、信じてくれないの?」

「そうじゃないの…」

「どういうこと?」

「夢なのに夢じゃなかったんだ」

頭にはてなマークを浮かべる二人は夢って?と聞いてくる。

「約束を守らなきゃ!!」



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