「なんで休みの日をいわなかったのよ!?」

…昨日とは一変、今日は朝からお説教がついてきました。

理由はきっと、私がお店の休みを言わなかったから。

「でも、チラシにかいてありますよー」

なんて悪びれもなくいう。だってほんとに悪くないしね

「まさか、チラシわかんなくて昨日来たら休業日ってかいてあって無駄足踏んだ…とか?」

まさかギャリーさんだからそんなことしないですよねー、って笑いを堪えながらギャリーさんの方を向くと弱冠…いや、だいぶ赤くなっていた。やっぱり

「図星、なんですね。」

「…煩いわね!図星で何か悪い!?」

「ギャリーさんだっさーい」

なんて棒読みで茶化すようにいうと、逆ギレし始めたギャリーさん。
だいたいアンタが、だとかこういうのはもっとはやく言うべき、だとか真っ赤な顔と大きな声で説明する彼をスルーし仕事に戻る。

話聞きなさいよ!なんていう彼に後ろ、なんていうとヤバイ、なんて顔して振り返った。

だってお店の入口近くで話してたから、道路を歩いてる人たちの視線がギャリーさんに集中。
穴があくんじゃないかってほど、町の人達から見られているギャリーさんはアハハ、とからわらい。

お母さん、あの人何ー?しっ、みちゃいけません!なんて会話が聞こえてくる。

「…ちょっと中、入らせてもらうわね」

なんて私の返答も聞かずにうつむきながら早足で店の中に入っていった。

「あ、ちょっと待ってくださいよー」

とりあえずギャリーさんを追いかけることにした。

中に入るとギャリーさんはもう怒る気失せたわ…、と手をひらひらさせている。
…よっぽど効いたんだろうか。

「しょうがない、ほら」

「え、いいの?」

「今日だけサービス」

なんて薔薇の花束を渡す。勿論赤と青と黄色の入ったもの。
このまま落ち込んでちゃ迷惑だしね

「…ありがと」

と、素直に受け取ってくれたギャリーさん。

「そういえば私の従姉妹も薔薇、好きなのよ」

「そうなの?」

とりあえず話を変えることにしてみた。
ギャリーさんは好きって訳じゃないんだけどね、なんていっている。

「てか、最近は三原色が流行ってるの?
従姉妹も三原色の薔薇が好きみたいなんだけど」

なんていうとえっ、と驚いた顔をした。

「…その従姉妹の名前、聞いてもいいかしら?」

「ギャリーさんさ…、ロリコン?」

「違うわよ!!」

ちぇっ、全力で否定されたよ…

「でも、どうして?何かあるの?」

「なんでも。ダメかしら?」

「別にいいけど」

急に真面目な顔になったギャリーさんに教えない訳にはいかない。
別に教えちゃいけない理由なんてないしね。

「イヴ」

「!?」

「なに?何か驚く必要あるの?」

半端なく驚いてるギャリーさん。…こっちがびっくりするんだけど

「その子って、茶髪のロングで赤い目だったりするかしら?」

「なんで知ってるの?ストーカー?」

違うわよ!!とこれまた即否定。
じゃあ何で知ってるの?と聞いてみると

「美術館でちょっとね。それよりその子に会えるかしら?」

「来月遊びにいく予定だけど…」

「ついていっちゃダメかしら?」

「えっとですね、はい。…大丈夫じゃないかな?」

「ほんと!?ありがとクラリス!」

跳び跳ねる勢いで喜ぶギャリーさん。嗚呼、道路からの視線が痛いよ…

「じゃ、これもらっていくわね!またね、クラリス!」

そう言うと置いといた花束をひっつかみ全力で帰路についたっぽい。

…勇者だな、おい。

まっいっか、と一言で済ませると来月を楽しみにしながら仕事に戻ることにした。

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