出来れば知らないままで | ナノ


「のばら〜」
お前なぁ。その呼び方止めてくれって言ったろ?
「の〜ばら〜」
…ははっ。仕方の無い奴だなぁ。
どうした?
「『サッキ』って…何すか?」
殺気?
「そそ」
うーん…。
答えるのが難しいことを訊くなぁ…。
殺気は…要するに…例えば、誰かが俺を殺そうと思っている、その気配のことだ。
「それって、経験とか、そういうのを積んで解るようになる?」
そうだな。
より早く、正確に、何処から向けられていのかが解れば、それだけ対抗し易いし、こちらから打って出ることも出来るだろう?
「…何か…のばらって、可哀想っスね…」
…え?
「そんなにさ…。『サッキ』が解るようになっちゃうまで、『サッキ』に晒されて暮らしてたんスね…」
…あ…。
「何か、変なこと訊いてごめんな…!」

走って去って行くその背中は…。
…その背中は…。


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