触れたい | ナノ


なにふてくされてんだよ?
「何か…俺の知らない皆が居るのが嫌なんス…」
へ?
「俺さ…あんま、武器とか持ったこと無かったし、皆の持ってるものとか、興味あるんスよ」
ああ、お前良くフリオニールが武具の手入れしてるとこにちょっかい掛けてるもんな。
「でもさ…」
ん?
「ウォーリアは、手入れの仕方は教えてくれても、絶対剣には触らせてくれないし、オニオンは触ろうとするだけでめちゃめちゃ怒るし、セシルの剣って、セシルが触ってないと消えるし、背中にぶらさがってる剣に触ろうとしたら凄ぇ嫌がられた」
…そりゃそうだろ…。
「スコールも絶対触らせてくれないし、クラウドは、少し触ろうとしただけで拳骨食らった」
スコールのは…暴発が危ないからだろ。触っちゃ駄目だっつー場所触らないって約束すりゃ、持たせてくれるぜ?
「…なら、いいんスけど」
どうしたんだよ? らしくねぇぜ?
「…あのさ」
…剣は戦士の命と聞いた、と、ティーダは言う。
「ここではさ。お互いに命預け合ってんのにさ。その『命』に触れさせて貰えないって…何か…嫌だなって」
それは…考えたことなかったなぁ…。
「もしかしてさ…」
剣を、自分の『命』以上に大事にしてるんじゃないかって…。
と、ティーダは言う。
俺は、あいつらには、あいつらの命以上に大事な物なんて無いのに。
と…。
「その、『大事な物』が見えなくて、俺には解らなくて、何か嫌なんス…。もしかしてそれって、俺達の命以上に大事なものだったりして…」
んな訳ねぇだろ?
「そう…っスかねぇ…?」
んな訳ねぇって。

そう言いながら、けれど不安が、伝染った気が、した。


SSSTOP
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -