雑学は二度寝の前に | ナノ
 
…真夜中。
明け方に近い頃合いではあるのだろうが、未だ、空は深い闇。
夜行虫の鳴声が辺りには満ちていて、緩やかな風に、木の葉が潮騒の様にざわめく。
…そんな時分だった。
ホームと呼ぶ秩序の軍の夜営地に張った、テントの内の1つ。
そこでは、ウォーリア、バッツ、オニオンの3人が眠っていた。
日々の戦闘で疲れた身体を休める彼等の寝息は至極、穏やかで。
日が昇ればまた始まる戦闘に向けて、暫しの休息を貪る。
…そんな中。
突然。
突如。
それこそ何の前触れもなく。
いきなり胸のつかえたような短い悲鳴を上げて、バッツが飛び起きた。
直後、隣で眠っていたウォーリアがそれに驚いて飛び起きる。
慌てて火を擦り、直置きのランプに火を入れる過程で、遅れてオニオンも目を覚まして。
天井の1点に向けて4辺の厚布が収束していく、内側へ向けて斜めになった厚布に囲まれたテント内が、ウォーリアが入れたランプの灯に照らされて、ふわり、明るくなった。
…その、灯りに照らされたそこに。
自身の敷布の上で息を詰まらせ、右足を爪先まで精一杯伸ばした状態で、身体を捩り、通常では有り得ない角度にまで身体を仰け反らせ転げ回り、身悶え、苦しむバッツの姿があった。
「バッツ!?」
断末魔に近い苦しみ方をするバッツに、ウォーリアは悲鳴に近い声でバッツを呼ぶ。
尋常でない彼の様子に、一瞬で血の気が引いた。
…が、しかし…。
「…全く、もう…」
ウォーリアがバッツを呼ばわった直ぐ後、この場にそぐわない――と、ウォーリアは思った――呆れた、溜息混じりの声が背後でして。
ウォーリアはそちらへ顔を振り向ける。
…オニオンだった。
振り返ってみれば、ウォーリアを挟み、バッツの反対側で眠っていたオニオンが身を起こしていて。
眠そうな目をしたまま、今は下ろしている長い前髪をうざったそうに片手で掻き上げていた。
オニオンは徐に、ウォーリアの敷布を横切り、バッツの側へ面倒そうに這い寄っていく。
そうして、テントの出入口を背にバッツの敷布に腰を落ち着けると、出入口の方へと伸ばされた右足の爪先を両手で包み、脛へ向けて足首を曲げさせた。
「ぁっ、ぐっ…!」
悲鳴と共に、バッツの動きが止まる。
不自然な方向に身体を曲げたまま止まっているところを見るに、余程苦しい…若しくは痛い…のだろう。
尋常ではない、と思うのだが、オニオンの表情は、バッツが妙なことをした際に良く見られる、呆れたそれで。
ウォーリアは些か、取るべき対応が解らずに困惑した。
ランプの揺れる灯りの中、ウォーリアの見守る中。オニオンはバッツの足首を強く曲げさせたまま、バッツに言う。
「…寝る前に身体解したり、筋肉伸ばしたりした?」
バッツはこれには頷いて応えた。
斜めになっているテントの厚布に、バッツが頷く様子が、大きな影になって揺らめきながら映っていた。
じゃあ…、と、オニオンは続けて言う。
「…寝る前、ちゃんと水飲んだ?」
…。
バッツはこれには応えなかった。
「…っ馬鹿じゃないの?」
息を吸い…溜めて…心底呆れたように吐き捨てるオニオンに、ようやっと声が出るようになったらしいバッツが、顔をオニオンへ向けて言う。
その額には脂汗と思しき汗が光っていた。
「…今回、ばっかりはっ…自分、すっげぇ…馬鹿だとっ、思う…っ」
「全く、ね!」
オニオンは言いながら、足首を前に曲げさせたままで、バッツの右膝を後ろへ曲げさせた。
そうしてやっと、バッツの足から手を放す。
「あんがと…。ふ〜、痛ってぇ…」
バッツからオニオンが離れると、バッツは上体を起こし、敷布に尻をついた状態でオニオンに向き直った。
そうして、片腕で額に浮いた汗を拭いながら、自分で足の曲げ伸ばしを始める。
…状況の解らないウォーリアは、しかし、取り敢えず事態は終息した、と見た。
肩の力を抜き、1人状況を理解出来ずに首を傾げて…。
…そんなウォーリアを尻目に2人は会話を開始する。
「何でいつもやってること省くかなぁ」
とは、オニオンの弁で。
「いや〜、偶には紳士しないと、最近ジタンの俺を見る目が呆れから哀れみに変わりそうでさ」
とは、バッツの弁。
「はあ?」
心底呆れて片眉を跳ね上げるオニオンに、バッツは若干慌てた様子を見せた。
足の曲げ伸ばしを止め、片手を顔の前で振る。
「大袈裟なことやった訳じゃないんだ。たださ、ほら、水袋だってそこまで大きい訳じゃねぇしさ、水のストックって限りあるじゃん?」
「…あるね」
オニオンがひじょ〜に険しい表情だった為か、バッツはいつになく早口になっていく。
「寝る前さ、俺だって水飲もうかなって思った訳だよ」
「…だろうね」
「足攣るのヤだし」
「…だろうね」
「…で、水飲もうかなって」
「…それで?」
「えーっと、焚火の側に置いてある水袋探して」
「…へえ?」
「でも、ほら、水のストックって限りがあるじゃん!?」
「…だから?」
「水袋に残ってたの、1人分って感じで!」
「…へえ?」
「でも、でもな! 水飲んでなかったの俺だけじゃなくて!」
「…ほぉ」
「ティナ! ティナも飲んでなくて!」
「…ふ〜ん?」
バッツはここで、あからさまに「あれ?」という顔をした。
ティナを出せば何とかなる、と、思っていたのだろう。
ウォーリアは訳が解らないながらも、胸中で嘆息した。
オニオンは相手の不手際を責める時まで、ティナで揺らいだりはしない。
それをバッツは解っている筈なのだが…。
「…で?」
片眉を上げたまま。
険しい表情のオニオンに、痛みでの脂汗とは違う汗がバッツの額に浮く。
「いや…あの…その…えーと」
「…御丁寧に紳士的なバッツさんは、ティナという少女に眠る前のお水を譲ってあげた訳だ?」
「えーっと、その…。…はい」
「…ティナ遠慮したよね?」
「…はい」
「で、ティナはその水飲んだんでしょ?」
「…はい」
「飲んだってことは、遠慮するティナを納得させたってことだよね?」
「…はい」
「…で、何て言ったの」
「えーと、あの〜、オニオンさん」
「な、ん、て、言、い、ま、し、た、か、?」
ウォーリアは、このやりとりに軽く吹き出した。
バッツの視線が泳ぐ。
「いや、それは…その、ほら、えーと」
「『俺は大丈夫だって! 水場でそのまま飲んでくるから』」
「…です」
「…で、何で行って飲まなかったのさ」
「…」
「…」
「「めんどくさくなっちゃった」」
2人の声が唱和し、ウォーリアは危うく、再び吹き出しそうになる。
「でもさ!」
バッツは言う。
「ジタンの言う『レディファースト』ってやつはちゃんと出来たし! ジタンは誉めてくれたぞ!」
「…で、ジタンに誉められて僕に怒られる訳ですか」
「…てへっ☆」
「両足攣ればいいのに」
「拳骨にならない分、オニオンさん優しっ☆」
「全身攣ればいいのに」
そんな会話の中。
…ふと。
ウォーリアはこのテントへ近付いてくる仲間の気配を感じ、険しい表情のオニオンと、再び口角を引き下げて右足の曲げ伸ばしを始めたバッツから視線を外して、テントの出入口へと視線を投げた。
…ややあって。
「どうした?」
出入口の厚布を捲り上げ、今晩の不寝番、フリオニールがテント内を覗き込んで来た。
話し声や、出入口から漏れ出るランプの灯りが彼を呼んだのだろう。
バッツに身体を向けて出入口を背面にしていたオニオンが、フリオニールの声に、肩越しに振り返った。
1つ。肩を竦めて。
「バッツが足攣っただけ」
「はぁ?」
瞬間、フリオニールも呆れた顔になった。
フリオニールは、未だに右足の曲げ伸ばしをするバッツに呆れた表情のまま視線を放る。
「…全く…そんなことで2人を起こすなよ…。どうせ寝る前に身体伸ばさなかったか、水飲まなかったかのどっちかだろ?」
「水飲まなかったんだってさ」
フリオニールの問いに答えたのはオニオンだった。
フリオニールは肩と頭を落とし、溜息と共に頭を軽く振る。
そうして、呆れた表情のままの顔を、バッツへと向けた。 
「阿呆か」
「てへっ☆」
「『てへっ』じゃないっ!」
フリオニールまでもが、瞬間、表情を険しいものに変える。
「可愛くない上に腹立つわ! ほら来い。二度寝する前に今度はちゃんと水飲んで寝ろ」
あと俺が2人の代わりに拳骨落としてやる。
…と。
心底呆れた調子で言った後、フリオニールはテントを覗き込んでいた身を引いた。
フリオニールが出入口の厚布から手を放すと、厚布は自重で勢いよく下に下がり、1、2度揺れて止まった。
出入口の厚布が下がった反動で、テント全体の厚布も2、3度揺れた。
「…ふぁい…」
ふざけた調子で乗りきろうとしたのだろう…が、結局乗りきれず、情けない表情になったバッツは、揺れの止まった出入口の厚布に、情けない声で、そう返事をした。
そうしてのそりと具足に足を通すと、フリオニールの後を追い、心持ち右足を引き摺りながら、出入口を潜るようにしてテントを出ていった。
…オニオンが、ランプの灯を消す。
暗くなったテント内で、オニオンに「もう寝ましょう?」と、声を掛けられ、ウォーリアはバッツの出ていった出入口に視線を投げたまま、オニオンへ向けて問いを発する為、口を開いた。
…さて。解らないことだらけだ。
「…オニオン」
「はい?」
「今の…バッツは、彼の右足は、一体…?」
「えっ…」
「え?」
丁度、ランプの火を消したオニオンが、ウォーリアの敷布を這って横切る際に声を掛けてみたのだが、オニオンはその言葉を聞くなり、横切りかけていた敷布の上で、ウォーリアの方へ勢いよく顔を振り向けて硬直した。
暗くともその気配を感じ取れたウォーリアは、出入口からオニオンが居ると思しき辺りへ視線を移動させる。
「…ご存知…ないのですか!?」
…と言われても…。
ウォーリアはテント内の闇の中、些か返答に窮して沈黙する。
知らないのか、と言われても、知らない、としか答えられない。
先程、苦しんでいたバッツの状態がどういったものなのかを先ず知らない。
続いてそんなことが起こりうるのだということも知らなかった。
何が原因なのかも知らない。
オニオンは水、と言っていたが、良く解らない。
対処法も知らない。
そもそも対処できるものであったことも知らないし、先ず彼が口にしていた「アシツッタ」という状態? の名称からして知らない。
そこで「…ああ」と、短い返答を繰り出してみる。
…オニオンは暫く硬直していた。
が、ややあって硬直を解き、ウォーリアの敷布を元の通りに這い進む。
「…でも」
自身の敷布に腰を落ち着けたオニオンが、言いながら此方を振り返った気配がしたので、ウォーリアも体勢を入れ換えて、身体を出入口に向け、顔をオニオンへ向けて敷布に座る。
この頃には、テント内の闇に、大分目が慣れてきていて。
彼の金髪と、大きな目が僅かに、微かに視認できた。
オニオンは言う。
「1度くらい、似た様な状態になったことはおありでしょう?」
「いや?」
「えっ…」
「え?」
再び。
ウォーリアが答えてオニオンが硬直した。
オニオンはウォーリアを見ていた。
ウォーリアもオニオンを見詰めていた。
…。
暫く。
テント内を、外で鳴く虫の音が支配する。
…ややあって。
「えっと…」
どう反応して良いか解らない様な声色で、オニオンがウォーリアから視線を外し、視線を辺りに彷徨わせた。
気まずい咳払いをした後、オニオンは言う。
「…説明…しましょうか?」
暗闇で見えないだろうが、ウォーリアは頷いた。
「頼む」
オニオンは再び軽く咳払いした。
「えっと…。さっきのバッツのは、『足が攣る』っていう状態です」
「つる…?」
「別名を「こむら返り」って言って…。えっと、引き攣れる、を略したのか何だか、その辺りは僕も解らないんですけど…」
「ふむ…名称は兎も角、どういった現象なのかは解った」
「あ、良かったです」
オニオンは、好意的な笑いを含んだ声を出した。
明かりを点けていないテント内は暗くて、オニオンの様子や表情は曖昧にしか視認出来なかったのだが、ウォーリアは何となく、オニオンが若干楽しげであるような気がした。
兎角、彼はこういった説明が好きなのだ。
「で、あれが何で起きるのか、ですけど」
外で虫が鳴いた。
それが耳に心地好かった。
「端的に言うと、筋肉や筋の誤作動です」
「誤作動?」
「はい」
2人の会話は続く。
外でフリオニールと話でもしているのだろうか。
バッツはまだ、来ない。
「疲労が筋肉や筋に溜まってきた時、例えばさっきみたいな足なら、足の筋肉や筋を一杯にまで伸ばした後、それを戻す時に、それまでに溜まった疲労で筋肉や筋が上手く作動しなくて、伸びっぱなしになる状態を差します」
「とすると、通常は行動時、特に激しい運動をしている際に起きやすい、という訳か」
「そうです。しかもこの時の状態は誤作動ですから、伸びっぱなしになった筋肉や筋は、神経の命令を受け付けません」
「正常に作動するまで待つしかない訳か…」
「はい。そして誤作動が起こっている間中、激しい痛みを伴います。ただ、単に神経の命令に筋肉や筋が着いていけなくて起こる誤作動なので、作動が命令に追い付いてくれば自然に治るんですけどね」
オニオンは肩を竦めた様子だった。
そうして、続ける。
「ただこれ、僕達の中で戦闘中に起こした人は居ません。これは、皆がちゃんと、起こらないようにしているからなんです」
「…聞いていると、防ぎようが無いもののように思えるが? どんなに身体能力の高い者でも、疲労には抗えない」
ふふ、と。
オニオンは笑った。
何だか貴方にも知らないことがあるのですね。
ちょっと意外でした。
あ、いえ、貴方に対する評価は下がりませんよ。寧ろ逆です。
安心したんです。ああ、ちゃんと僕等と同じだ、って。
あれ。これは評価を下げてる内に入るのかも。
…なんて。
ウォーリアは微かに笑った。
…その時の感覚が「擽ったい」という感覚に属するものだということを、ウォーリアはこの時はまだ、知らない。
「防ぐ方法は2種類あります。でもこれは、どっちか片方をやれば良い、という訳じゃなくて、どっちもやらないといけないんです」
そんなオニオンの言葉に、ウォーリアは難しいのか? と訊いた。
直ぐに、いいえ、という答えが返ってきた。
「皆がいつもやっていることそのままですよ。1つは、身体を揉みほぐしたり伸ばしたり柔軟したりを怠らないこと」 
ふむ…、と、ウォーリアは言った。
「つまり…ことあるごとに溜まった疲労を零に戻す、ということか」
「そうですそうです!」
自分の説明が届いたことが嬉しいのか。オニオンは明るい声を出した。
ウォーリアは微かに笑って次を促す。
オニオンは言った。
「もう1つは、水を飲むこと」
…ウォーリアは、これには首を傾けた。
暗くて見えないことは承知していたが、実際見えなかったらしく、ウォーリアからの返答がないことから、オニオンはこれを不理解と把握した様子で。
オニオンは続ける。
「通常、僕等が飲んでる飲料水は、飲料水の中に主に含まれている栄養素があって、その栄養素と、体内の水分が足りなくなってくると、誤作動が起こり易くなるんです」
水の中の栄養素っていうのが何なのか、僕も詳しく調べたことは無いんですけど…と。
若干決まり悪そうな声色で言ったオニオンに、ウォーリアは傾けていた首を元に戻した。
オニオンは続ける。
体勢を入れ換えたのか、暗闇の中で、オニオンが僅かに動いた様子が見え、布の擦れる音がした。
「…でも、昼間は皆、身体解したり、水飲んだり、そうやって気を使いますけど」
不意に。
それまで淀みなく話を続けていたオニオンが、呆れた様子に声色を変えた。
「夜も、寝る前にちゃんと対策しておかないと、寝返りとかで筋肉や筋が誤作動して攣ります」
「…バッツは筋肉の揉みほぐしはしたが、水を飲まなかった…と」
「みたいですね」
オニオンは溜息を吐いた。
「しかも戦闘区域から帰ってきて、水飲んだのは多分、夕食の時だけでしょうから、完全に水分不足です。まぁ足攣って当たり前ですね〜」
今度は、ウォーリアが溜息を吐いた。
オニオンは、呆れた調子のまま、溜息混じりに先を続けて。
「しかも身体のどこかしらが攣ると、次の日に後遺症みたいなのが短くて半日は続きますから、明日バッツを陣に組んでるなら、外した方が良いですよ」
「…自業自得…と、言いたい所だが、先の足を引いていたバッツを見ると、外すしか無さそうだな…」
「体調不良で怪我するバッツよりも、自己管理不備のバッツを庇いながら戦って、余計な怪我負わされる可能性のある他の人の方が心配ですしね」
手厳しいな。と。
ウォーリアは喉奥で笑った。
体調不良で戦場に出れば命の危険があるからこそ、ウォーリアはバッツを外そうとしたのだが、そんなバッツよりもバッツの周りで戦い庇い被弾する仲間の方が可哀想だと言ってのけるオニオンが、全く彼らしくて可笑しい。
「どれ」
くつり。
もう一度、喉奥で笑って、ウォーリアは手探りで具足を探し、引き寄せた。
「私も攣らないよう、水を飲んでから寝るとしよう」
「あ。僕もそうします」
ウォーリアは、そう言ったオニオンが具足を整えるまで暫く待った。
具足を探す音。
次いで、金具が擦れ合う音。
かちり。
暗闇の中、最後に、金具の留まる音がして。
ウォーリアは敷布を立つ。
テントから出ようと、出入口の厚布を捲り上げて外に出て…。
そこには、丁度戻ってきたのだろうバッツが居た。
相変わらず、右足を引いていて。
「…てへっ☆」
…3度。
懲りない様子で頭を掻き舌を出すバッツに、ウォーリアは胸の前で軽く拳を握って見せた。
「…フリオニールの拳だけでは足りないか?」
「あ。ウォーリア、やっちゃってください」
「いえ! かなり充分ですっ!!」
バッツの向こう側、草地の中央付近で、その会話が届いたらしいフリオニールが笑っていた。
夜の風が吹いて、テントの壁布が、僅かにたわみ、揺れていた。


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