novel | ナノ



夏の空
 
「今日も晴れね」
「ああ、あれは偽の空だからな」
私は天蓋に映し出された空を見あげた。
「空は青いわ」
「そうだな」
「私、夏の空のの方が好きなの」
「そうか」
「雲が大きくなるでしょう。それと一緒に、空は広がって引力が強くなるの」
「…」
「夏の空って、私好きよ」
「…」
「いいにおいがするんだもの」
私の目から涙か零れ落ちる。涙腺は空の引力に負けた。
彼が少し、ほんの少しだけ目を見開いたような気がした。


---Thank You!---
KimbraのTwo Way Streetを聞きながら。
最初はそうじゃないんだけど、さびのあたりになると空に吸い込まれそうになるかんじがして。
超突発的(笑)