「ねえ支倉」
「なんですか坊ちゃん。一応この老いぼれも仕事中なんですが」
「支倉背高いよね」
「坊ちゃんは相変わらず人の話を聞きませんなあ。まあ、坊ちゃんに比べれば確かに背は高いですが」
「からかわないでくれる?」
「はは、坊ちゃんは短気でいらっしゃる」
「…ねえ支倉」
「なんです?」
「どうやって、背伸ばしたの」
「…ほう」
「何」
「まあ確かに、透伊ちゃんは女の子の中では背が高いからなあ」
「!!スイは関係ない!」
「はっはっは、坊ちゃんはわかりやすいですねえ」
「何が!!!」
「何も、そんなに隠さずともよいじゃあありませんか」
「〜〜っうるさい!!」
「はっはっは、すみませんね。年を取ると人の色恋に聡くなるもんで」
「…支倉もうじじいだもんね」
「はは。辛辣ですねえ、坊ちゃんは」
「…いいから、何で背伸びたの」
「そうですねー………特に何もしませんでした」
「…支倉は庭師の仕事以外、本当役に立たないよね」
「いえいえ、坊ちゃんに本職が認められてるなら充分です」
「…もういい。仕事に戻っていいよ」
「へい。…あ、」
「なに」
「そういえば牛乳で背が伸びるとはよく聞きますね。爺も好きですよ、牛乳」
「………牛乳?」
「ええ。飲みすぎもよくないらしいですが。一日一杯とかなんとか」
「…わかった、ありがと。仕事戻っていいよ」
「へい。坊ちゃんもがんばってくださいねー」
「うるさい」

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テーマ「推しとの恋」
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