「ねえスイ、」
「はい」
「月が綺麗だね」
「そうですね」
「馬鹿スイ」
「何故に」
「うっさい馬鹿」
「なんという不当な罵り」
「うるさいよ。…例えば、僕を月だとすると」
「はぁ、急ですね」
「うるさい。なんか文句あるの」
「ありません」
「だよね」
「(むかつく)…ソウデスネー」
「なんかむかつく。まあいいけど。続けるよ。僕が月だとすると、」
「…はい」
「スイはその右下のちっさい星ね」
「見えなっ」
「うん、きっと皆気付かないだろうね」
「…まぁ、確かに見えませんね。自 己 主 張 の 激 し い 月 に かき消されて」
「そうだね。ぱ っ と し な い 星 だしね」
「…(うぜえ)」
「でも、僕には見えてるよ」
「あぁ、雪臣さま視力いいんですもんね」
「死んで」
「はい！？」
「うっさい馬鹿スイ」
「ちょ、なんで私怒られてるんですか」
「黙れ馬鹿。馬鹿馬鹿ばーか」
「なんでそんなに拗ね「拗ねてない馬鹿」拗ねてますってば！」