指を入れた直後は苦痛からか顔を歪めていたが流石に練習しているというだけありあっという間に指は二本へ増えていた
自分では本格的な快楽へ繋がらないのか腰を揺らしながらも中々声が漏れるまではいかず、初めて見る光景に謙也も圧倒され見入ってしまう

「っはぁぁ…いけ、るかな…」
「えぅ」
言葉と同時に指を抜き取った財前は油断していた謙也を再び押し倒す
下から見る財前はギラギラと獲物をとらえたハンターの目をしていた
口元を一度緩めると、近くにあった鞄から何かを取り出す
「なん、それ」
「潤滑剤…身体に悪いもんやないんですけど謙也さんの立派やから、念の為」
嬉しそうに言うと、それを手に出し謙也の陰茎へ塗りたくる
同時に萎えてしまった精力を呼びもどす様に扱きキスを落とす
少しだけ興奮した声を出しながら腰を揺らし誘う様に謙也の玉を揉むと、抵抗する間もなく元気な状態へ戻ってしまった
「や、アカンって…!」
「そんなん、遅いです。もっと早くに抵抗してもらわな」
「いやする暇無かったやないか!サクサク進めよって!」
「ええから、黙って。減るもんやないし。減るんは処女失う俺や」
「いやいや俺も童貞やから!喪失するからー!」
財前を突き飛ばすことは出来なくはない
だが、心は女だと聞かされた今力で強引に止めることは謙也の優しさ上簡単に出来ず、また散々イかされた今身体は更なる快楽に期待してしまい頭では駄目だと分かっていながらも財前の行動を止める事はできなかった
「五月蠅いなあ、俺の処女欲しないんですか」
「欲し…」
「まあ要らん言うてももう遅いですけどね」
「なっ!?うっ…!」
「あぁぁぁぁっ!おっきぃんゥ」
謙也の返事を聞く前に財前は謙也のモノを掴み一気に腰を落とした
重力と体重で一気に挿入された謙也の性器は指で解しただけの財前には少しきつく双方が顔を歪める
「くっるし…」
「あぁっ…ふぁ、めっちゃおッきぃ!」
「あか、動くなっ!」
「いやあ、おっきい、イってまいそっう!」
大きいと言いながらもしっかりと繋がった部分を指で触り確認すると腰を前後に動かし始める
腹に付いた腕に力が入り謙也をより圧迫する
「くぅ」
「揺らしてぇ…もっと奥まで欲しいぃ!あぅぅぁ…!」
前後だけでは我慢できなくなった財前は上下に身体をピストンさせる
先端を奥へ奥へと導く為にわざと体重をかけて下に落ちる
その度に良い所へ当たるのか高い声を上げ、頭を振り乱す
「あっ、イぃぃぃ!イってまう…もう、イきたあい!」
「んっ、俺もっ財前ん中気持ちえぇ…」
「謙也さあ…んぅ…もっと…もっとぉ!」
「っ、財ぜっ」
ついに我慢しきれなくなった謙也は財前の腰を掴むと下から付きあげ始める
散々求めていた奥深い快楽を手に入れた財前は身体を逸らしながら胸元の乳首へ手をやった
「あぁぁぁっぅ…イ、い、イくう」
「ん、乳首欲しいんか?」
「んんんぅっ、乳首好きぃ」
「触ったる、ほら、めっちゃコリコリしとるで?」
手の平で押し潰すように転がした瞬間、財前の身体が大きく震えた
「あぁぁぁぁああ…!」
「んん」
「イ、 イって…ぁぁぁ…」
「うっ…」
三度目で少し薄まった精液が再び腹へ散る
同時にビクビクと締め付けられた謙也も限界を迎え、財前の中へ吐きだしてしまう
その熱で更に漏れる声に謙也は愛しさが芽生え、震える財前を抱きしめると、頭の後ろへ手を伸ばした
ぐっと瞬時に寄せつけると、震える唇で財前の口元を捉える
「んあっふぁっ…んんもっぁ」
「んっ」
食べるように唇で挟みこむ
射精した余韻からか意識が朦朧としていた財前も次第に状況を把握し始め、慌てて身体の間に腕を入れた
「嫌っ」
「んぅちょ」
「嫌や…キスなんて…」
「はあ?なんで…」
唇を腕で拭う財前に謙也はムッとする
「初めて、やったのに」
「そんな今更…人の童貞奪った奴が言う言葉ちゃうぞ」
「それは…処女やったんやからお互い様っていうか…」
照れながら言う財前に謙也はわざとため息を吐く
「ほんなら俺も初めてやったから、お互い様や」
「はあっ?」
「俺もファーストキスやっちゅー話」
驚きを隠せない財前に謙也が逆に驚いてしまう
大体思春期に入り恋人を作る暇もないテニス生活を送っていた謙也がキスを済ませている筈がない
謙也を好きだったならば恋人の有無くらい知っているだろうし童貞の状況を重ねてもわかるのに、そこまで思考が回らなかったのは本気で余韻に浸っていたからかただ抜けているだけなのか
どちらにしても謙也なりに恥ずかしい思いをして告白したのだからさらっと流して欲しかった
「そもそもレイプしといてキスのひとつやふたつ…ん?レイプって言うんか?逆レイプか?」
「……なんです」
「まあどっちでもええわ。そんな状況でキスなんか勿体ぶってたら成立せえへんっていうか、俺がしたかったからやっていうか…」
「俺はホンマに謙也さんが好きなんです」
「……」
「せやから、キスしてくれて嬉しいけど、もっと好きになってしまうから辛い」
俯いた財前は肩を震わせる
「今日1日だけやのに、明日からはギクシャクするかもしれんのに…謙也さん残酷っすわ…」
「財前」
無理に笑おうと口元を緩めるが震えは抑えきれないのか呼吸は乱れてしまう
その姿は先程謙也を無理矢理押し倒した人物とは思えないほど、弱弱しかった
お人よしだと分かっていても、同情かもしれないと思っていても、今伸ばす手を止めることはできない
涙を堪える財前の顔を持ち上げる
潤んだ瞳に触れる程度のキスを落とすと、謙也はまた背中に腕を交差させた
「まだ気持ちはハッキリせえへんけど、財前の事嫌いやないで?」
「…え?」
「好きなら好きでおったらええやないか。ここまでしてもたんやし、お互い失うもんないやろ?」
「本気で言うてるんですか?」
「本気やで、勿論。俺も、その…ちゃんと向き合って考えてみるわ。女の子として財前のことどう思ってるんやろうって」
童貞を失い処女を押し付けられファーストキスを済ませた謙也に怖いものはなかった
まだ結婚など考える歳でもなく、異性も同性も交際に差は無いのだから、謙也も出来る限りの努力はしてみるつもりだ
ここまで誰かに思われたことはなく、そして思える財前が素直に凄いと感心したのだった
「一応責任取らせて貰います」
「…後悔しますよ」
「ええよ。そん時は財前の何かをまた貰うだけやから」
「上等」
目を伏せる財前に謙也はゆっくりと顔を落とす
こんな始まり方も悪くない
上手くいくかなんてわからないけれど、今この瞬間は幸せだった
「ほんなら交際記念ってことで、一発目」
「はあっ?」
「まだ入ったままなん忘れてへんよな?」
「ああぁぅ」
腰をグイッと上へ持ち上げる
突きあげられた財前はもう無理と泣き言を上げるが、謙也に引く気はなかった
「俺は二回、財前三回。付き合いは平等にせな」
緩めた口元に財前が気付く間もなく、抱きしめた身体を暖まったフローリングへ押し倒した






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