最近変な話をよく聞くようになった。どうやらこの学校の色々な所で怪奇現象が起こっているらしい。
「ねぇ、鬼灯君白澤君最近この学校で怪奇現象が多いらしいよ」
「どうせ、噂でしょう?」
この二人はクラスメイトで、生徒会長の鬼灯君とムードメーカーな白澤君。この、二人は仲がいいのか悪いのかよくわからない。でも、私たちはよく三人で行動してるから仲がいいと信じたい。
「ななしちゃんそうゆう噂好きだよねぇ〜」
「うん!好き!」
「僕もななしちゃんの事好きだよ〜」
「黙ってろ極楽蜻蛉」
はぁ、気になるなぁ…私もそんな怪奇現象体験してみたい…だって、すごく素敵だと思うんだよね、見えない何かが…って所が…あぁ興奮してしまう。
「ねぇ!今日の夜中音楽室に着いてきてくれない?二人共」
「何しに行くんですか?」
「噂を検証しにいこ?ね?ね?」
「ななしちゃんが行きたいなら僕は着いて行くよ」
「え?貴方は来なくていいですよ」
「お前が来なくていい!!」
「じゃあ決まりね!またあとで連絡するから二人共起きててね!」
あれから夜の12時に、学校の前で二人と合流し中に忍び込むのに成功した。
「なんか、やっぱり夜の学校って気味悪いね。でも、なんか鬼灯君って気味の悪い学校バックにしてもなにも違和感ないよね、素晴らしいよね」
「それ、褒めてるんですか貶してるんですか」
「お前の前世は地獄の鬼だよ、絶対」
そんなこんなで二人の喧嘩を聞きながら歩いていたら、あっとゆうまに音楽室のある4階に着いてしまった。進んで行くと何処からか音がする、3人は密かに聞こえる音を頼りに音のする方へ足を進める。
「なんだろうこの音…」
「どうやら話し声のようですねぇ」
「ななしちゃん怖くなったら僕に抱きついていいからね」
「あ、やっぱり音楽室から聞こえるよ鬼灯君」
「え?無視?ななしちゃん、ねぇ無視?」
そして、
【音楽室】
と書かれた教室の前で3人は足を止める。そして、少しドアを開けて見てみるが、誰もいない。さっきの声はなんだったんだろうかと、3人で首を捻っていると
「ベートーベンはいいよなぁ、俺の曲なんか変な替え歌ばっか作られてるし、もうやんなっちゃうよ」
「え?マジで?どんな替え歌?」
「チャラリ〜鼻から牛乳〜とかさ、もう意味わかんないよね。もう、俺こんなんなるなら音楽家やめたい!」
「そう落ち込むなよバッハ、それこそ俺たちの………運命なんじゃないか……なんつって」
「キャッハーーーー!!上手い上手い!座布団一枚!!」
なんてつまらない会話だ
この光景に私達はこれまでにない程驚愕した。
なんと、肖像画がお喋りをしているのだ。
「ほぅ、これは興味深いですねぇ」
「え、なにこれ…僕今夢見てるのかな」
「私あの人たちと、お喋りしてくる」
「ななしさん…ッ」「あぁ…!ななしちゃん!」
二人は止めようとしたが、時既に遅し。ななしはドアを全開に開けてしまっていた。先に行ってしまったななしを二人は追いかける。
「うわ!人間が来たぞ!」
「あの…すみません…」
「バッハ!隠れるぞ!」
「でも!俺達隠れるとこないよ!顔出ちゃってるし!」
「あの…すみません…」
「そうだった!俺達肖像画だった!!!」
え、なにこの人達ばかなの?
「あの、すみませんベートーベンさん」
「な、なんだ!俺を食べても良い事なんてないんだからな!」
そりゃそうだろ
「そんな警戒しないでください。私確かめにきたんです」
「確かめに…?なにを確かめに来たんだ?」
「夜中、音楽室のベートーベンの目が光るって」
「あぁ、それね、懐かしいな、まだそんな噂あったんだ」
まるで昔の事のように話すベートーベンに、3人は首をかしげる。
「昔俺とバッハでおはじきを目にはめてどっちが先に落ちるか競争して遊んでたら偶然通りかかった人に見られたんだよな〜」
「まじ懐かしいな、いい感じに反射してたよな!おはじき」
それよりも、
お前ら顔しかないのにどうやって目にはめたんだ
結果、ベートーベンは目から光をだせないらしい。でも、喋れる事が分かったのでよしとしよう。
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