最近誰かに見られている感じがする。帰っている時、買い物をしている時、色々な所で視線を感じる。だが、振り向いても誰も居ないのだ。

カシャッカシャッ

「あ、鬼灯様」

「おや、なまえさん」

「おや、なまえさん、じゃないですよ後ろの手に隠し持ってるものなんですか」

カメラです

そういって鬼灯様はカメラを見せてきた。

「なんでそこ堂々と胸張っていうんですか」

「趣味なので」

うん。どうやら私と鬼灯様は話が噛み合わないようだ。

「そのカメラで何をしてるんですか」

「?盗撮ですけど」

「地獄のNo.2を背負ってるお方が何してるんですか」

「いけないですか」

犯罪です

貴方が一番分かってるでしょう!どうして、え?これやっちゃいけないの?みたいな感じで首傾げてるの?どうして?

「なんで盗撮してるんですか」

「金魚草になまえさんの写真をたまたま見せてみたら、合唱しはじめたんです。あれは見ものでしたよ素晴らしかったです」

そういって少し表情を緩めた鬼灯様、やっぱり綺麗なお方だな…ってそうじゃない!

「ちなみに何を合唱してたんですか?」

「ウロコをくださいでした」

翼じゃないの?え、なにその歌、そんな歌なんかあるんですか」

「良ければ今度見に来てください。一緒に金魚草しませんか」

「なんでお茶しませんかみたいなノリなんですか」

こんな感じで鬼灯様とよく金魚草の合唱を聞くようになった。でも、金魚草の鳴き声は何故か不安になる。あの鳴き声をずっと聞いていたら少し頭がおかしくなった気がする。




「そういえば最近視線無くなったな…やっぱ気のせいだったのかも」

「あぁ、あれ私です」

「ハハッ…盗撮の次はストーカーですか…」



でも、鬼灯様なら悪い気はしない。あれ?私やっぱり金魚草の鳴き声聞きすぎておかしく………あぁ!

「鬼灯様!耳を塞いで金魚草の鳴き声を聞かないでください!!!もっとおかしくなっちゃう!!」


恐るべし、金魚草。




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